「仕事を真面目に続けていれば、給料も上がるし地位も上がる」という時代は過ぎ、今や何年経っても収入が伸びないことが一般化しつつあります。むしろ、業績悪化や倒産などのリスクを抱え、収入が下がるという危機感を持つ人も少なくないのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、空き時間を利用して副業に取り組むことです。本業の収入が伸びないのであれば、小さな副業を持つことで収入アップを狙います。しかし、何をどうやって始めればいいのか、失敗したら困るなど、つい行動をためらってしまいます。ここでは、会社員にお勧めの副業の選び方・考え方について説明します。

給料が上がらない……それなら副業で道を切り開く

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(画像=GaudiLab/Shutterstock.com)

総務省の「家計調査年報(家計収支編)」2016年版によると、勤労者世帯における実収入の実質増減率は前年比マイナス1.5%となっています。「アベノミクスで景気はよい」といわれますが、実は2013年以降4年連続のマイナス値です。それ以前をさかのぼっても目立ったプラス値はなく、少なくとも10年以上実収入が伸びていない、むしろマイナスとなっています。

このように、会社員の収入が上がらないのは、一つの会社や一つの業種だけに問題があるというよりも、日本全体に当てはまる問題となっています。収入の伸びの鈍化が構造的な問題であるとするなら、勤める会社で頑張っても急に収入が伸びる可能性はあまり大きくないかもしれません。

そう考えると、もう一つ「仕事」を創って収入の柱にするという発想はごく自然なもののように感じられます。会社の規約を確認する必要はありますが、安倍内閣が進める「働き方改革」のもとで社会人の副業解禁の流れが進んでいます。

会社の就業規則のもとになる厚生労働省の「モデル就業規則」では、2018年1月から「労働者は、勤務時間外において、ほかの会社等の業務に従事することができる」とされています。多くの企業がモデル就業規則を参考にするとなると、これまで副業を禁止してきた企業でも解禁することが予測できます。

会社員なら成功報酬型の副業がおすすめ

副業解禁のニュースを聞いて、「どんな副業をすればよいのか」と考える人も多いでしょう。副業には大きく分けて2種類あることを理解する必要があります。それが、時給型と成功報酬型です。

時給型とは、働いた時間に応じて報酬を得るタイプの副業です。一般的なパートやアルバイトだけでなく、個人事業でも時間をかけて成果物を作成し販売・納品するタイプのものは時給型といってよいでしょう。

時給型の副業ですと、働ける時間の上限がそのまま収入の上限になります。本業のある人にとっては、かけられる時間に限りがある以上、低い水準のところで収入の限界がやってきます。たとえば、平日2時間しかかけられない人にとって、時給型の副業で月数十万以上を目指すのは難しいでしょう。

もう一つの成功報酬型とは、ある目標水準を達成したときに基本報酬+αが支払われるタイプです。たとえば、Webマーケティングにおいて「成約率○%アップ」というような目標水準が設定され、これを達成したら余計に100万円支払うというような契約になることがあります。会社員の副業で高い収入を目指すなら、成功報酬型の副業を取り入れることが必要です。

成功報酬型は、労働時間が短くても大きな収入を手にできる可能性があります。成果を達成できれば時間は関係ないからです。限られた時間しか働けない会社員でも、高い収入を得られる可能性があります。しかし、成功報酬型の場合はニーズのあるスキルを持つことが前提となります。スキルがなければ、そもそも発注を受けることさえ難しいかもしれません。

なお、高いスキルがあれば時給型でもある程度の収入までは目指せます。その意味で、会社員が副業するのであれば、本業や趣味などで培ったノウハウ・経験・スキルを生かせるジャンルを選ぶことが妥当です。たとえば、プログラマーの人が副業でWebサイト制作を請け負ったり、イラストをPCで描くことを趣味とする人がLINEスタンプづくりやイラスト制作を行ったりするケースが典型的でしょう。

資産運用も成功報酬型の副業といってよいでしょう。自分自身が働くというよりも、金融機関に預けたお金に働いてもらいます。株式や投資信託、不動産などを購入し、運用することで配当金や分配金、あるいは家賃というインカムゲインを継続的に受け取ることができます。

また、株式の値上がり後に売却することで、多くのキャピタルゲイン(売却益)を得られることもあります。時間をかけたからといって利益が増えるわけではない一方、自分が動かなくても収入を手にできる可能性があります。

まずは自分の「好き」「得意」を棚卸ししよう

せっかくの副業ですから、「好き」か「得意」を生かし、楽しみながら高収入を目指したいものです。そこで、副業を始める前に自分の好きなことや好きだったこと、得意なことや得意だったことを棚卸ししてみましょう。

休日に自分と向き合い、これまでの人生で他人から喜ばれた経験、何かしてあげて他人からほめられた経験などを思い返してみましょう。そこに「好き」「得意」の芽が眠っているかもしれません。

一人で考えてもまったく浮かんでこないという人は、信頼できる家族や友人に聞いてみるのもよいでしょう。自分自身はなかなか客観的に見られないものですが、自分では気づかないポイントを指摘してくれる可能性があります。

また、本業や副業で種銭がある程度貯まったら、並行して資産運用を開始することをおすすめします。資産運用はすぐに大きな利益が上がるわけでもありませんが、長期的に続けることで安定した収入を得やすくなります。(提供:Incomepress


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