ETF(Exchange Traded Fund=上場投資信託)の注目度が高まっています。ETFは投資信託(投信)の一種で、株式と投信の特徴を併せ持ち、使い勝手の良い金融商品として規模が急拡大しています。

ETFとは

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(写真= NOBUHIRO ASADA./shutterstock.com)

ETFは、証券取引所に上場している投信です。インデックス型投信と同じように、市場平均に連動した収益獲得を目指します。少額資金でも複数の銘柄に投資する分散効果が得られ、比較的低コストで運用できることも特徴です。

ETFは国内外の株式、債券、商品(コモディティ)など、さまざまな資産を投資対象としています。株式が投資対象のETFでは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)のような主要株価指数にとどまらず、業種やテーマなどを対象とするものもあります。個人投資家一人ひとりでは投資が難しい対象でも、ETFを利用すれば投資対象となりえます。

投資信託協会のデータ「数字で見る投資信託(2018年1月17日)」によると、2017年12月末時点のETFの運用本数は180本、純資産総額は約30兆7,945億円となっています。

日本では、日銀が金融緩和策の一つとして2010年12月からETFの買入れを始めましたが、個人投資家の利用はまだ一部にとどまっているようです。米国では使い勝手の良い金融商品として人気が高く、運用本数も純資産額も急拡大しています。

ETFは使い勝手の良い金融商品

投信を運用手法で分類すると、市場平均に連動した収益獲得を目指すインデックス型投信(またはパッシブ型投信)と、市場平均以上の積極的な収益獲得を目指すアクティブ型投信に大別されます。

インデックス型投信は、日本の日経平均株価、TOPIX、米国のS&P500指数などのように、市場全体の値動きを表す主要指数に連動した収益獲得を目指します。対象とする指数の構成銘柄や構成比率とほぼ同じように投資するため、アクティブ型投信のように調査や分析などにかかる運用コストを必要とせず、比較的低コストで運用できるという優位性があります。

さらにインデックス型投信は、主要株価指数に連動するようにポートフォリオを構築しているため、値動きをイメージしやすいという特徴があります。構成銘柄も容易に確認できるため、運用の透明性が高いといえます。

ETFは、インデックス型投信と同じように運用されるため、比較的低コストで、運用の透明性が高いというインデックス型投信の長所を備えています。

またETFは証券取引所に上場しているため、通常の株式の個別銘柄と同じように取引できます。指値や成行といった注文もできます。国内の証券取引所に上場している国内ETFだけでなく、一部の証券会社では海外の証券取引所に上場している海外ETFも取引できます。

一般的な投信は非上場のため、運用期間中に売買できる追加型(オープン型)でも、1日1回取引終了後に算出される基準価額で売買することになります。申し込み時点で価格は未定です。これに対してETFは、取引時間中であればいつでも、刻々と変化する市場価格で売買できます。

このようにETFは、インデックス型投信の優位性に加えて、株式と同じように取引できる利便性も兼ね備えています。使い勝手の良い金融商品なのです。

ETFと通常の投信を上手に使い分けよう

このようにETFは、上場していない通常の投信にはない利点があります。しかし、万能ではありません。コスト面に関していうと、証券会社によって手数料率は異なりますが、口座管理料や取引手数料がかかることが多く、金額や取引の方法によっては、通常の投信よりもコストが高くなるケースもないわけではありません。したがって、コストだけでETFと通常の投信を選択する場合は、実際に自分が投資しようとしている金額や期間などをもとに、コストを試算してから選びましょう。

ETFにあって通常の投信にない最大の長所は、取引時間中に機動的に売買できる点です。相場が大きく動くときなどは、ETFの機動性が一層際立ちます。ETFと通常の投信の双方の特徴を知ることで、優れた金融商品であるETFをより賢く使いましょう。(提供:マネーLife Style


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