※この記事は2018年4月に掲載されたものを再編集しています。
マーケティング戦略が株価にも影響
本連載では【第1回】のリクルートホールディングス【第2回】のApple、【第3回】のフィルカンパニーについて書いてきたが、いずれも企業自体の歴史や事業内容についてを取り上げた。 【第4回】では「ライオン」のヒット製品「NONIO」のCM効果にスポットを当て、マーケティング戦略が業績や株価に与える影響について考えていく。
ローラ躍動!NONIOのCM
タイトルをみて西城秀樹の歌を口ずさんでしまった人は、きっと「バブル世代」に違いない。今回はそちらの世代ではなく、「ミレニアル世代」のモデル・女優として活躍するローラを起用したライオン <4912> のCMの話題だ。
「ねえ、お口のニオイ気になってるの?」ローラのそんなセリフで始まるのが同社のハミガキとマウスウォッシュ『NONIO(ノニオ)』のCMだ。最後はローラの「セクシーなキス」で締めくくられるこのCMをご存知の人は多いことだろう。
注目されるのは4月18日、ライオンの株価が前日比4.5%高の2364円まで上昇し、年初来高値を更新したことだ。折しも、ローラのCMで売り出した『NONIO』の販売好調等を受けて、同社の売上・営業利益がともに過去最高を記録。先週には外資系証券が格付けを2段階引き上げるなどさらなる成長期待が高まったことが背景にある。
ハミガキやマウスウォッシュは決して目新しい製品ではないが、「ローラ効果」でミレニアル世代に向けた新しいマーケットを創造、さらなる成長の可能性を秘めているのだ。