誰もが一度は憧れる株式投資での配当金生活やアーリーリタイア。しかし、株式投資は知見が必要。失敗するのはこわい。

では、ソーシャルレンディング投資の分配金のみで生活することは難しいのでしょうか。

今回の記事では夢のソーシャルレンディングでの分配金生活を送るために、必要な資金額を考えてみました。

そもそもソーシャルレンディングで分配金生活は可能なのか

ソーシャルレンディング投資,シミュレーション
(画像=PIXTA)

現実的かどうかはさておき、ソーシャルレンディング投資のみで生活できるかどうかと言えば、その答えは「Yes」です。

株式の配当金のみで生活を送ることだってできるのですから、年利回り数%であるソーシャルレンディングで生活は当然可能です。

しかし、現実的にソーシャルレンディング投資のみでの生活は可能なのかという点が気になります。

株式上場(IPO)などの結果、上場会社の大株主となり配当金のみで生活できるようになったという上場会社のオーナーの話は耳にすることがあるかと思います。

しかし、ソーシャルレンディングで同様に分配金のみで生活をしようとした場合、いくら必要なのでしょうか?

ソーシャルレンディングで分配金生活をするために必要な元本は約7千万円

それではソーシャルレンディングの分配金で生活を送るためには一体いくら必要となるのか、下記で計算式を用いながら考察してみます。

計算方法

国税庁の調べによると日本人全体の平均年収は414万円です。

日本のソーシャルレンディングの利回りは約5~10%ですが、分配金からは源泉徴収(詳細は後述します)が差し引かれ、実際の手取り額は減少するため、源泉徴収後として年利回り6%として算出しています。

すると下記計算式で、年間414万円の分配金収入を得るための必要資金額が算出できます。

・分配金合計414万円÷年利回り6%=必要投資金額69,000,000円≒70,000,000円

上記より日本人の平均年収414万円をソーシャルレンディングの分配金で得ようとすれば、約7千万円の投資資金が必要とされることが分かります。

税金について

ソーシャルレンディングでは、事業者側で源泉徴収がなされた後で、投資家に分配金の支払いがなされます。

事業者から分配金支払時に源泉徴収される税率は、所得税20%+復興特別所得税0.42%=合計20.42%となり、約2割が差し引かれる計算となります。

ただしその後、他の収入と合算して計算された所得税額より源泉徴収額が多い場合、確定申告を行うことで差額分の還付を受けることができます。

なお、ソーシャルレンディングは分離課税ではなく、総合課税です。総合課税は累進課税のため、場合によっては税率が高くなります。

これらの違いや確定申告の詳細については下記の記事をご参考ください。

・【税理士監修】ソーシャルレンディングの確定申告方法。税金計算の仕方や確定申告の必要可否も!

ソーシャルレンディング投資で月々50万円を得るには?

日本人全体の平均年収は414万円ですが、貧困層から富裕層まで幅広い層の総平均となっています。

独身であれば生活するに困らない年収額ですが、家族構成次第ではさらに求める方もいるでしょう。

そこでもう少しハードルを上げて考えてみます。

例えば月50万円、年収600万円をソーシャルレンディングの分配金で得ようとした場合、いくら必要かを先ほどの数式で考えてみます。 月50万円あれば、4人家族で生活するには充分な金額となります。

・分配金合計600万円÷年利回り6%=必要投資金額100,000,000円

分配金で月50万円、年間600万円の収入を得ようとすれば、1億円の投資資金が必要との計算になります。

さすがに1億円と聞くと現実的ではないなと思うかもしれません。

ただし上場株式の配当金が高めの銘柄でも年利回り3~4%であり、同じ計算を行えば必要資金は2億円以上となります。

株式の配当金で生活することと比べると、まだソーシャルレンディングの分配金での生活のほうが現実味がある、といえるのではないでしょうか。

ソーシャルレンディングで分配金生活を行うための課題やポイント

上述のようにソーシャルレンディングの分配金のみで生活を行うためには、できれば1億円の投資資金は欲しいことが分かります。

ただし、株式投資や宝くじ等で大きく儲けることができた等の少数の方を除くと現実的な数字ではありません。

株式投資同様、ソーシャルレンディング投資もリスクある投資です。

分配金で生活する!と意気込みむとリスクの高い案件に集中投資すると、思わぬリスクで大怪我してしまう可能性もあります。

これまでの計算及び説明は、リスクの顕在化を考えていないベストシナリオなのでその点はご注意ください。

ただし生活費の全額をソーシャルレンディングの分配金で送るのは無理であっても、生活費の一部をソーシャルレンディングの分配金から拠出することは充分可能です。

例えば月10万円の分配金であれば、年利6%で2千万円の投資金額を用意できれば実現可能です。

本業・年金で定期収入がある場合、+10万円の定期収入があればどれだけ生活に余裕が出るのか分かりません。

最終的にはソーシャルレンディングの分配金生活を目指すとしても、まずは最初に定期的な収入を、金額の大小にかかわりなくソーシャルレンディング投資で上げることから始めてはいかがでしょうか?

まとめ

ソーシャルレンディングの分配金生活を行うのは不可能ではありませんが、相当の金額が必要とされることが上記から分かります。

よって普通のサラリーマンやOLが、すぐにソーシャルレンディングの分配金のみで生活を目指すのは現実的とは言えません。

ただし毎月のソーシャルレンディングの分配金で、着実に生活に潤いを与えることは十分可能です。

また分配金を次の投資に充当し複利効果を得ることで、将来的に分配金を大きくすることも可能です。

千里の道も一歩からと言います。少額から、まずはソーシャルレンディング投資の第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

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ブログ「ソーシャルレンディングの投資ノート」の管理人。個人事業主の傍ら、株・REIT・FX・先物等、これまで様々な投資を手がけてきた個人投資家。ソーシャルレンディング投資の面白さと将来性に着目し、ブログを開設しソーシャルレンディングについて分析やコラム等を執筆している。一般的なファンド運営業務も実務を通じ知っていることから、ファンド運営側と投資する側の、両方の視点でソーシャルレンディング業界を見守っている。

(記事提供= クラウドポートニュース )

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