昨日の海外時間には、仏中銀総裁の発言を受けて欧州国債金利が上昇したことから米長期金利も上昇しドル買いが優勢となりました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日の海外時間には仏中銀総裁の利上げ開始時期に関する発言を受けた欧州国債利回りの上昇が、米長期金利の上昇に波及し、原油相場の上昇もあって米長期金利は再び3%台に乗せました。この米長期金利の上昇をうけてドル円は109円台後半に値をもどしています。今後も米長期金利の上昇が続けばドル円も再び110円台乗せを試すと考えられます。しかしながら、米国債利回りの3%というのは、世界的に見ても非常に魅力的な水準であることから、ここから米長期金利が一段高になるのかという点はやや懐疑的な見方もあります。一方ドル円も110円付近で2度上げ渋ったことから、ドル売りの実需のある向きは110円付近では再びドルを売ってくると見られる一方、110.10円付近からはストップ・ロスのドル買い注文も溜まっていると見られます。

再び110円でドル売り

110.00円のドル売り円買いポジションは、昨日午後に109.50円で利益を確定しました。今日再び110円でドル売り円買いのポジションを、110.30円に損切りラインを置いて作りたいと考えています。

海外時間からの流れ

欧州時間、米長期金利が上昇して円売りが優勢となった一方、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「純資産購入の終了が近づいている。私はすでに9月か12月になるだろうと述べている」などと述べたことからユーロ買いが強まって、ドル円は109.60円付近まで、ユーロドルは1.1990付近まで、ユーロ円は131.30円台まで上昇しました。

NY時間にはいると、再び米長期金利が上昇する中全般的にドル買いが優勢となって、109.40円台まで下落していたドル円は109.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.1960台まで下落しました。NY時間午後にはいると各国株価が下落してリスク回避的な動きで円が買われドル円は109.40円台まで、ユーロ円は131.00円付近まで下落しました。その後米長期金利が上昇すると再びドル買いが強まって、ドル円は109.70円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1920台まで、ユーロ円も130.70円付近まで下落しました。

今日の予定

今日の海外時間には英・4月雇用統計、独・5月ZEW景況感調査、ユーロ圏・5月ZEW景況指数、ユーロ圏・第1四半期GDP(改定値)、ユーロ圏・3月鉱工業生産、米・4月小売売上高、米・5月NY連銀製造業景気指数、米・3月対米証券投資収支の発表と、カプラン・米ダラス連銀総裁、ウィリアムズ・米サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp