インバウンド(訪日外国人観光客)需要の増加などで化粧品の売上拡大が続き、資生堂(4911)をはじめとする化粧品各社の業績が好調に推移し、百貨店やドラッグストアの売上増加要因にもなっている。一方、化粧品株の株価急騰が目立つ中で、素材関連など化粧品の周辺株には、十分な株価評価を受けていないものが多く残る。隠れた有力銘柄を探った。

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(画像=PIXTA)

化粧品株の代表格である資生堂は、今12月期第1四半期(1Q)の連結営業利益が前年同期比95%増(471億円)と好調。国内でインバウンド向け売上が約4割伸びたほか、海外でもスキンケア商品が大きく伸び、驚異的なペースでの収益拡大を続けている。 ポーラ・オルビスホールディングス(4927)やコーセー(4922)なども収益成長が続いていて、原料などを提供する企業も恩恵を受けている。

素材関連では、テイカ(4027)が今3月期の連結営業利益64億円(前期比5.9%増)を見込む。同社は化粧品向け材料として酸化チタンを手掛ける。原燃料価格の上昇が収益の重しとなっているものの、日焼け対策向けの需要が依然高水準にある。

今期の配当予想は32円(前期は実質28円)に増やす見通し。株価は2月以降のもみ合いから離脱する機をうかがう。

一方、化粧品素材のKHネオケム(4189)は、今12月期1Q連結決算が営業減益(前年同期比2.5%減の28.8億円)で着地した。ただし、これは3~5月に施設の定期修繕を控え、基礎化学品の販売を抑制したことが要因。化粧品関連の引き合いは好調を維持していることから、修繕を終えた下期には収益を一気にばん回する。

通期の営業利益見通しは前期比8.7%減の105億円と保守的なだけに、今後に上ブレ期待が高まる展開も考えられる。株価は中期で上昇トレンドを継続しており、高値から一服した直近の水準は絶好の押し目買い好機だ。

また、容器関連では、化粧品のプラスチック製容器に強い竹本容器(4248)に一段高への期待が掛かる。同社は国内や中国で主力の化粧品向けボトルが伸長。国内工場で生産を増強したほか、中国で開発提案型の営業を加速している。前期比5.1%減の13.4億円の今12月期連結営業利益予想は、かなり慎重と言える。4月末の1Q決算発表後に上場来高値を更新したが、短期調整を経て再度動意づきそうだ。

このほか、化粧品や日用品の卸を展開するハリマ共和物産(7444・(2))にも注目。前3月期の連結業績は新物流センターの関連コストが発生したにも関わらず、収益が期初計画から大幅に上ブレした。

今期は営業減益(前期比8.4%減の16.5億円)を見通したことで株価は失望売りを招いたが、同じく化粧品の卸を展開するPALTAC(8283)が業績拡大で急騰しており、昨年にハリマ共和株を取得した西松屋チェーン(7545)との関係強化も期待されることから、ここからの見直し買いを狙いたい。(5月17日株式新聞掲載記事)

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