はじめに
「投資」と聞くと、なにを思い浮かべるだろうか。株式や国債、社債、外貨、金など銀行や証券会社などが扱うものを、真っ先に挙げる人が多いと思うが、ほかにもさまざまなものが投資対象になる。たとえば、不動産や原油、農産物などがそうだ。
また、美術品や骨とう品のように趣味と実益を兼ねたような投資があれば、ワインのような嗜好品も投資の対象となる。
こうしたものへの投資は専門知識が必要なため、なかなか簡単に手を出せるものではないが、それぞれ奥深さがあり、知識や見る目を養っていけるのが魅力でもある。そんな一風変わった投資先を紹介していこう。
目次
飲むワインと投資のワイン、どこが違う
日本でもワイン投資に興味を持つ人が増えているようだが、「どこから始めていいのか分からない」という声も聞こえる。自分が飲む目的ではなく、利益を視野にいれた投資としてワインを購入する場合、何を基準にどんな銘柄を購入すれば良いのだろう?
ワインに投資する場合、自分が飲みたい銘柄ではなく、将来的に高リターンを狙える銘柄を選ぶことが重要だ。米大手ワイン・オークション・ハウス「アッカ―・メラル・アンド・コンディット(Acker Merrall&Condit)」 のジョン・カポン会長 が考える成功するワイン投資4つのルールから学ぼう。
ワイン投資とは何か
ワイン投資とは、良質で比較的若いワインを丁寧に熟成させ、価値を高めて売却する投資法だ。嗜好品であるワインはヴィンテージものほど消費され、希少価値が高まっていく。また素晴らしいワインの多くが、そもそも少量しか生産されていない。つまり、最初から既に希少価値が高いということだ。こうした希少価値の高いワインを、世界中のワイン・コレクターがこぞって追い求めており、流行り廃りのない、継続的な需要が期待できる。
またワインは実物資産であり、インフレに連動して価値が上がる傾向があるので、インフレ対策にもなる。さらに購入後、売却するまで保管さえ上手くできれば、ウェルスマネージャーなど専門家に手数料や報酬を支払う必要もない。
そう考えると、ワイン投資が欧米で長年にわたり、安定した資産運用のひとつとして人気があるのも納得ができる。