本格的な超高齢化社会を迎えつつある日本。一般のサラリーマンが定年退職してから、余生の期間は実に30年ほどもあります。その間を悠々自適に過ごせれば万々歳ですが、将来の年金制度は不明確な面も多く、再雇用もままならない日本では、やはり老後は不安です。

そこで注目されているのが、「マルチプル・ストリームス・オブ・インカム」です。今回は、会社員だからこそ検討したほうが良いマルチプル・ストリームス・オブ・インカムの内容や考え方について解説します。

マルチプル・ストリームス・オブ・インカムとは

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(写真=rachata photography/Shutterstock.com)

老後の心配を払拭するためには、いかに現役時代にお金を蓄え、資産を形成するかが重要です。しかしサラリーマンの限られた給与では、貯蓄や資産形成には限界があります。

そこでマルチプル・ストリームス・オブ・インカムなのです。マルチプルとは「複合的な」、ストリームスが「流れ」、インカムは「収入」と和訳できます。つまり、「複数の収入源を持つ」というような意味として理解できるでしょう。もとは『実践!億万長者入門』の著者であり、アメリカでは大富豪にしてマーケティングの天才として知られるロバート・アレン(Robert G. Allen)氏が唱えた考え方です。

原題は、ずばり「Multiple Streams of Income」。本の内容は原題の通り、ひとつに限らない複数の収入の流れをつくることで大きな富を築き、豊かな老後を確実なものにしようというものです。

3つの山脈をつくり富の貯水池に流す

マルチプル・ストリームス・オブ・インカムの考え方では、3つの富の山脈をつくり、そこから流れ出る収入を富の貯水池に蓄えることが重要と説きます。例えばサラリーマンであれば、本来の勤め先からの給与の他に、2つの収入源の確保を目指すのです。

給与以外の収入源としては、例えば「夜間の仕事」や「土日にだけ働く」、などのいわゆる副業が考えられます。ただし体力と相談し、健康には十分留意することが大事です。あるいは、プチ起業をして新たに事業を始めるという手もあります。

例えば本業を活かしたコンサルタントや、手軽にはじめられて初期コストも比較的低いといわれるネットビジネスに挑戦するのも良いかもしれません。それ以外には、マンション経営での家賃収入、株などの配当収入、印税なども挙げられます。ちなみにこうした収入は、あえて自分からは何もせずにお金が入ってくるので、パッシブインカム(不労所得)といわれます。

パッシブインカムは文字通りPassive(受け身)の収入なので、管理さえ怠らなければ十分に富の山脈のひとつとなりえます。もちろん初期投資は必要になりますが、マンション経営なら一度資産に加えてしまえば、長い将来にわたって安定的な収入になる可能性があるので魅力的です。

現役時代の稼ぎが豊かな老後を決める!?

いったん就職したらその会社の仕事に没頭して、定年となれば潤沢な退職金を受けとるという終身雇用の考え方は過去の話です。残念ながらそんな時代はもう終わりを告げました。超高齢化社会では、現役時代において、「いかにお金を稼ぎ」「貯めて」「資産形成できるか」ということが豊かな老後を決定します。

大事なのは、現役時代に収入の3つの山脈をつくり、確実にお金の貯水池に貯めていくことです。3つの山脈に関連はあってもなくても構いません。むしろ本業とは関係ないほうが精神的な刺激になったり、違う仕事に携わることで発想の転換にも役立ったりするなどの相乗効果も生まれそうです。

ただし、副業や起業、投資など、どれに行うにしても、それなりの準備や勉強は必要です。自分は「その副業に向いているのか」「その起業は本気なのか」「その投資には十分な利益はあるのか」「リスクはどの程度なのか」など、じっくりと検討することも大切といえます。

終身雇用が破綻した日本の会社員において「マルチプル・ストリームス・オブ・インカム」という考え方は重要です。サラリーマンであれば、働き盛りのうちに3つの山脈を築き、(富の)貯水池にお金を貯める方法を模索しましょう。収入源を増やしていくことで、超高齢化社会を安心して生き抜いていくことが可能になります。(提供:Dear Reicious Online


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