アップルマークもツイッターの鳥も「フィボナッチ数列」?

次の数列はあるルールに従っています。

1、1、2、3、5、8、13、21、34…

34の次の数字がわかるでしょうか?

実はこの数列は、直前の2つの数を足し合わせて次の数を作るという規則なっています。21+34=55ですから、34の次は55です。このような数列のことをフィボナッチ数列といいます。

フィボナッチは13世紀にイタリアで活躍した数学者です。フィボナッチは『算番(さんばん)の書』という著作の中で、一組のつがいの子ウサギが1ヶ月後に大人になり、その後は毎月1つがいずつ子ウサギを出産したとすると、つがいの組数は1年間で何組になるかという問題を解決して見せました(下の図参照)。そのときに登場したのがフィボナッチ数列です。

黄金比,永野裕之
(画像=The 21 online)

実は、このフィボナッチ数列は黄金比と深い関係があります。

フィボナッチ数列の、となりあう数の比は数が大きくなればなるほど黄金比(1.618…)に近づくのです。

そのため、フィボナッチ数列を一辺の長さとする正方形を並べていくと、先ほどご紹介した黄金長方形とよく似た形となり、その角を滑らかに繋いだ曲線も対数螺旋の一種です。

黄金比,永野裕之
(画像=The 21 online)

また、アップルのりんごマークやツイッターの鳥のマークをはじめ、非常に多くのロゴデザインがフィボナッチ数列に登場する数を半径に持つ円を使ってデザインされています。フィボナッチ数列が黄金比に通じることから、関連する円を使ったデザインもまた、美しく感じるからでしょう。

(出典:『東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた数に強くなる本』)

永野裕之(ながの・ひろゆき)「永野数学塾」塾長
1974年、東京生まれ。暁星高等学校を経て東京大学理学部地球惑星物理学科卒。同大学院宇宙科学研究所(現JAXA)中退。レストラン経営、ウィーン国立音大への留学を経て、現在は個別指導塾・永野数学塾(大人の数学塾)の塾長を務める。これまでにNHK、日本経済新聞、プレジデント、プレジデントファミリー他、テレビ・ビジネス誌などから多数の取材を受け、週刊東洋経済では「数学に強い塾」として全国3校掲載の1つに選ばれた。プロの指揮者でもある(元東邦音楽大学講師)。著書に『東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法』『数に強くなる本』(PHPエディターズ・グループ)、『大人のための数学勉強法』(ダイヤモンド社)など多数。(『The 21 online』2018年06月08日 公開)

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