(本記事は、金川顕教氏の著書『いつの間にか稼いでくれるすごいチーム』KADOKAWA、2018年9月29日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

「嫌い」が「好き」に変わる4つのポイント

いつの間にか稼いでくれるすごいチーム
(画像=ShotPrime Studio/Shutterstock.com)

周りの人を見ていて思うのですが、意外と自分の好き嫌いがわかっていない人が多いような気がします。

人間が幸せと思うことなど、ある程度決まっているにもかかわらずです。

たとえば睡眠、おいしい食事、飲酒、旅行、マッサージ、温泉、仲のいい人と一緒に過ごす、1人で過ごす、のんびりするなど、人の好きなことはだいたいパターンが決まっています。

ところが真面目な人は、もっと“ちゃんとしたもの”でないといけない、などと考えすぎてしまうからでしょう。

自分が好きなものが見えていない。

まず「好き」ではなく「嫌いなこと」から考えてみてはいかがでしょうか。

たとえば私の場合、請求書や議事録作成などの事務作業が好きではありません。

また、取材を受けるのも正直好きではありません。しかし、取材によってできあがった本が届くとすごくうれしいです。

本を読んでくれた人から届く感謝の言葉もうれしいし、私の本を読んで誰かが成長し、結果を出してくれるのもうれしい。私の親が読んでくれて、面白かったと言ってくれたら、やはりうれしいのです。

つまり、単体では嫌いなものでも、より広い視野で見ると、好きなことにつながることは往々にしてあります。

そんな捉え方をすると、嫌いなことでも積極的に取り組むことができるのではないでしょうか。

・視野が広がる4つの視点

ここで、物事を捉えるときに大事な4つの視点をご紹介します。

それは、「自分」「自分も含めたみんな」「現在」「未来」の4つです。

「自分だけ」「今だけ」で物事を捉えるのではなく、「自分たちみんな」「未来」という視点を加えることで、今までとは違った見え方がするものがあります。

「自分がこれをやれば、ああなる」だけではなく、「自分がこれをやれば、みんながいつかああなる」と考えられるようになれば、しめたものです。

物事を一面的に見るだけでは、視野は広がりません。

視野を広げなければ、世の中の本当の面白さには、なかなか気づけないものです。

しかし、視野を広げれば、今まで気づかなかった面白さが見出せるはずです。

視野を広げることのメリットは少なくありません。

今、仕事にやる気や意義を見出せなかったとしても、視野を広げる──たとえば自身の欲求や欲望と仕事をリンクさせることができれば、すべてが楽しくなってくるにちがいありません。

なぜなら、働けば働くほど夢が叶っていくのです。

ただ仕事のために仕事をしているときと比べれば、雲泥の差があるはずです。

ぜひ「自分たちみんな」「未来」という視点を加えて、より広い視野でものを考えてみてください。

ネガティブ思考は無理にやめなくていい

成功する人は、「失敗を失敗と思わない」「人の目は気にしない」「自分の評価は自分で決める」という特徴があります。

にもかかわらず、なかなかネガティブ思考から抜け出せない人がいます。

私はそうしたネガティブ思考が抜けない人は、結局のところその人が「そこまでやりたい」と思っていない気持ちの表れではないかと考えています。

「不安でやるのが怖い」のなら、不安を乗り越えてまで、やりたいことではないのではないか、ということです。

だったら別にやらなくてもいいんじゃない、と思ってしまいます。

たとえば「年収5000万円稼げるかどうか不安です」というなら、別にやる必要はないのです。

そもそも、そういう人は何のためにお金が欲しいのか、という目的意識が欠けています。

私はそういう人に対しては、別にやらなくていいよと言いつつ、同時に、何かやりたいことを見つけないとダメだよ、と伝えるようにしています。

「海外留学に行くのが不安な人」は、本当に海外留学したいわけではないのです。本当に行きたかったら、誰に何を言われようと行くのですから。

あるいは、ダイエット中の人がトレーナーの人から「ラーメンなどの炭水化物を控えるように」とキツく言われていても、つい食べてしまうことがあります。

それは本人が「本当に」食べたかったからです。

つまり、人は本当にやりたいことがあれば、禁止されていることですらやってしまいます。

私は、人間誰しもマイナスを帳消しにするほどのプラスがないと、何かをやらないものだと思っています。

たとえば、私は高いところがあまり好きじゃないですが、ジェットコースターに乗ります。

なぜかと言うと、みんなと一緒に乗ることで味わえる一体感、楽しさから得られるプラスが、「怖い」というマイナスを上回るからです。

もちろん、それを乗り越えられない人もいます。どれだけ誘ってもジェットコースターに乗らない人。

みんなと一緒に楽しみたいけど、それより怖さのほうが勝っているから乗らないのです。

余談ですが、私は体脂肪率を1桁にするための筋トレをしています。メリットはもちろん理想の身体を手に入れることですが、たとえばビールや夜食などを控えなければならないデメリットもあります。

私も人間ですから、夜中に無性にラーメンや餃子を食べたくなることがあります。しかしその誘惑を乗り越えてまでも、いい身体を作りたいという気持ちがあるから、筋トレが続けられるのです。

もちろんまれに、その選択がずれることもあります。筋トレ中にラーメンや餃子を食べてしまったようなときです。

しかし、何でも厳密にやればいいとは思っていません。

自分自身が窮屈にならないように、「おおむね最終到達地に向かっていればそれでいい」くらいの気持ちがちょうどいいと思っています。

やるか、やらないか。手に入れるか、手に入れないか。遊びか、仕事か。

そういう選択の連続の中で、「自分が本当に望むものを選ぶ」ということがネガティブ思考から抜け出すポイントだと思います。

誘惑には負けていい。我慢はしない

よく「誘惑に負けるな」とか「ここは我慢のしどころだ」などと言いますが、私は、誘惑に負けてしまってもいいと思っています。

たとえば、現在筋トレ中の私ですが、夜中にどうしてもラーメンが食べたくなったら食べます。

我慢は一切しません。というのも、我慢すると「モチベーションの枠」にはまってしまうからです。

「モチベーションの枠」という言葉はなじみがないでしょうが、私の造語です。ある行為に対してモチベーションという概念を持ち込むことで、その行為に義務感が生じることを言います。

たとえば、おいしい料理を出されたら普通に食べます。そこにモチベーションは必要ないはずです。

しかし、そこにモチベーションを持ち込めばどうなるでしょうか。

どこか「がんばって食べる」というニュアンスが生まれないでしょうか。

「食べる」という行為にモチベーションを持ち込むことで、「食べなければならない」という義務感が生まれるのです。これが「モチベーションの枠」です。

もともと義務でも何でもなかったことに、「モチベーション」を持ち込むことで義務感が生じて、自然にやっていたことが自然でなくなるのです。

私は、仕事に一切モチベーションを持ち込みません。やりたくてやっているだけです。おいしいものが出てきたら食べる。そこにモチベーションは必要ありません。

そもそも好きなことに「モチベーション」という概念が介入する余地はないのです。

・「モチベーション」と「やる気」は違う

モチベーションが上下するような人は、ビジネスパーソンとして最悪だという話をよくします。

なぜなら仕事で大事なのは安定感です。常に仕事に対しては、ある一定の情熱を持って取り組まなければならないと思っています。

であれば、仕事でモチベーションを上下させず安定して取り組むにはどうしたらいいのでしょうか。

ポイントは、自分の仕事を好きかどうかにかかっています。

もともと仕事は、進んでやりたいようなことではありません。ところが、やりたくないことをやらなければならないのが仕事。

つまり、仕事には常に義務感がつきまとっています。

ですので、義務感だけで仕事をしている多くのビジネスパーソンには、「何で自分がこんなことをしなきゃいけないんだ」という気持ちが湧いてきます。

しかし、仕事が好きな人は義務感で仕事をやってはいません。自分が好きだからやっている。ただそれだけです。

モチベーションのある、なし、は関係ないのです。

もちろん好きな仕事の中にも、やる気が出て楽しい仕事と、なかなかやる気が起きない仕事はあります。

しかしそのやる気も、仕事そのものは好きなわけですから、時間が経ち環境が変わると変わってきます。私自身は、やる気が起きない仕事は、無理にやろうとせず、やる気が起きたときにやればいいと思っています。

つまり、あくまで私の定義ですが、「モチベーション」と「やる気」は違います。

モチベーションは好きなことを仕事にすることで一定に保てるもの。業務についてはやる気があるものはやればいいし、やる気が出ないものは、あえてそのときにやらない。

それでいいと思っています。

仕事の「断捨離」をする

「断捨離」という言葉があります。

身の回りの不要な物を捨てることで物への執着をなくし、身軽で快適な人生を歩もうという考え方です。

やりたいことが漠然としている人は、おそらく仕事の断捨離ができていません。

仕事の断捨離ができていなければ、現在抱えている仕事で手一杯のはずだからです。

そんな状態では、新しいことに挑戦しようという気持ちは生まれてきません。

一方で、新しいことをやりたいと思う人は、仕事の断捨離が自然とできています。

では、どうすれば仕事の断捨離ができるのでしょうか。

やり方は単純です。今やっていることを誰かに任せるか、やめてしまうだけです。

「任せる」
「捨てる」
「減らす」

これができる人だけが、新しいことに挑戦しようという気持ちになれます。

この断捨離ができない人は、断捨離してまで何かをやりたいとは思っていない人です。

たとえば、「環境を変えたい」という人が、ぐずぐずといつまでも引っ越しができないのなら、引っ越しをしてまで新しい環境を手に入れたいと思っていないのです。

あるいは転職して収入アップを図りたいと思っている人が、どうしても転職に踏み切れないのは、現在の慣れた仕事場を捨ててまで新しい仕事に挑戦したいと思っていないからです。

つまり、断捨離ができない人は、変わりたいとは思いつつも、変わらないままでいいと思っている人で、断捨離ができる人は、どうしてもこのままじゃ嫌だと思っている人です。

そして、世の中に圧倒的に多いのが現状維持派です。

人間、新しいことをやるときには大なり小なり不安がつきものです。

その際、不安を恐怖に発展させてしまうのか、希望に切り替えることができるかが、稼げる人になるか、ならないかの差になって現れます。

・「忙しい」ときは、「忙しいけど、時間作れます」

仕事の断捨離ができていない人の特徴の1つが「忙しい」を連発することです。そして、私はできるだけ「忙しい」と言わないようにしています。

なぜなら、「忙しい」と言っている人に、新たな仕事をお願いするのは気が引けるからです。

そのため「忙しい」という言葉には、新しい仕事が入ってくるせっかくの機会を逃してしまう、機会損失を招く側面があると思っています。

そこで私は、「忙しいけど、時間作れます」と言うようにしています。「いつでも時間がとれます」「暇です」と言うのも、仕事ができない印象を相手に与えてしまいます。

そこでいいのが「忙しいけど、時間作れます」。

この言い方は誰かから相談があると言われたとき、「ちょっと忙しいけど時間作るよ」と伝えると、わざわざ自分のために時間を作ってくれたんだという印象になります。

ただ、目上の方に対しては「忙しいけど」は失礼なので、入れないほうがいいかもしれません。

「時間作ります」という言葉だけで、何となく忙しそうだなということは相手に伝わります。

このように、言葉ひとつであなたの印象は全く変わります。

仕事の断捨離を徹底し、それでも忙しい場合は、言葉を上手に使うことで意識を切り替えていく。

これがチャレンジを続けられる人のポイントです。

いつの間にか稼いでくれるすごいチーム
金川顕教(かながわ・あきのり)
経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家。大学卒業後は有限責任監査法人トーマツに勤務し、不動産、保険、自動車、農業、飲食、コンサルティング業など、様々な業種・業態の会計監査、内部統制監査を担当。数々の成功者から学んだ事実と経験を活かして経営コンサルタントとして独立し、不動産、保険代理店、出版社、広告代理店など様々なビジネスのプロデュースに携わる。「量からしか質は生まれない」という信念を多くの人に伝えるために執筆活動を開始し、ビジネス書をはじめ多岐にわたるジャンルでベストセラーを連発。
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