人生100年時代といわれる長い老後に備え、若いうちから投資を始めたほうがいいと考えている人が増えています。今回はそんな資産形成に関する3つのキーワードを紹介しましょう。

「長期投資」で時間を味方につける

資産形成,ルール
(画像=KPG_Payless_shutterstock)

投資をするうえで大切な要素に時間軸があります。目先の価格変動はあまり気にせず、5年、10年といった長い時間をかけてじっくり資産を増やすことを狙った「長期投資」は初心者でも簡単にできる投資法です。株式投資の場合、毎年、着実に成長を続ける会社に長期投資すれば、短期的には業績のアップダウンもあるでしょうが、長い目で見て、その会社の成長にともなった株価の上昇が期待できます。

物価の上昇=インフレもまた長期投資の味方になります。物価が上昇するということは、会社の価値や不動産、商品などいわば「モノ」の価値が上昇するということ。日本では長らく物価が下落し、逆に現金の価値が高くなるデフレが続いてきたため、投資の重要性が今ひとつ理解されませんでした。しかし、日銀の量的金融緩和の影響や人手不足もあって、今後はインフレに転じそうです。

株や不動産REITに長期投資することが、インフレによってお金の価値が目減りしてしまうリスクを回避するための防衛手段にもなるのです。

安く買う「割安株投資」なら幾分安心

金融商品にはどれも価格があり、その価格が上がったり下がったり値動きしています。いざ投資を始めようというときは、できるだけ安く買う努力を怠らないことも大切です。株式投資の世界では「割安株投資」という考え方があります。これは会社が毎年上げる利益や保有する資産、毎年支払われる株主配当金に比べて株価が割安に放置されている銘柄に投資する手法です。

その会社の株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを示したPER(株価収益率)。また、株価が会社の保有する1株あたり純資産の何倍かを計算したPBR(株価純資産倍率)は、その株が割安かどうかを測る代表的な指標になっています。

株主配当を毎年10円出してくれる会社に投資する場合でも、株価が100円のときに投資すれば、配当利回りは10%になりますが、株価が200円まで上昇すると利回りは5%に低下します。もちろん、安く買おうとしても「絶対」は存在しないのが投資の世界です。ただ、投資を成功させる決め手の1つは「どれだけ割安な価格で買うか」ということも事実といえます。「今買いたい」という気持ちに安易に流され過ぎずに、PERやPBRなどの指標を丁寧に分析することも怠らないようにしましょう。むろん投資信託にも、割安株や高配当株を投資対象にしたものが豊富にあります。判断に迷うようなら、プロに運用を任せるのも一つの考え方です。

「株価10倍株」で資産を増やす

資産を増やすためには長期投資、割安株投資が重要ですが、将来的に価値が10倍になるような夢のある銘柄を探してみるのも面白いかもしれません。米国は「テンバガー」と呼ばれる「株価10倍株」は、世の中に爆発的に普及する前夜の段階にある、まったく新しい技術や商品、サービスを手がけているような新興企業の中にひそかに眠っていることがあります。

2012年末にアベノミクスが始動して以降では、人手不足で求人サイトが急成長した人材紹介企業や、経営者の高齢化でニーズが高い中小企業の事業承継業務を手がける企業などが3~4年をかけて株価100倍高を達成しています。時代の変化に合致した新サービスや新商品を手がける企業の株は玉石混交な面もあり、その中から有望な株を見つけることは難易度も高くハイリスクな作業になります。しかし、「この会社の手がけるビジネスは伸びる」といち早く見抜いて投資できれば、日本株でもテンバガーに巡り合うことは夢ではないのです。

株価が割安な水準まで下がったとき、今後の社会で急速に必要とされる新技術、新サービスを手がける株価10倍株候補を買って、ひたすら長期投資する……それが個人投資家が資産を増やすための近道とするなら、プロに運用を任せる投資信託の手助けを借りるのも、有望な選択肢といえるでしょう。

(提供:フィデリティ投信