iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(少額投資非課税制度)で運用できる金融商品として、ますます身近な存在になりつつある投資信託。「アクティブ型」と呼ばれる投資信託の中には、市場全体が低調でも優秀な成績を上げるものもあり、なにかと注目されています。アクティブ型投信の運用レポートは投資の教科書としても使える面があるので、意外なその活用法をお教えしましょう。

「ボトム・アップ・アプローチ」とは?

アクティブ型投信
(画像=create jobs 51/Shutterstock.com)

アクティブ型の投資信託は、ファンドマネジャーが独自の視点で銘柄を選ぶこともあり、「プロの目利き力」が試されるともいえます。なかでも、時価総額が比較的小さな企業に投資する「中小型株ファンド」は、組み入れ対象が成長著しい新興株やニッチな市場で確固たる地位を築いている高収益企業など、多岐にわたります。

銘柄選別の方法は「ボトム・アップ・アプローチ」と呼ばれ、個別企業の業績や財務状況などを1社1社細かく分析していき、時には会社訪問なども行って有望な投資先を発掘していきます。非常にたくさんの個別企業の中から、運用者が独自の着眼点や選球眼を駆使して投資する銘柄を選ぶため、主要な組み入れ銘柄を記した「銘柄ポートフォリオ」は実に多種多彩で、個性豊かなものになるのが大きな特徴です。

選ばれる企業にはどんな特徴がある?

例えば、「フィデリティ・中小型株・リサーチ・ファンド」の2018年7月の月次運用レポートを見ると、海外向け中古車販売のオプティマスグループ、ユニクロなどアパレル製品のOEM(相手先ブランドによる生産)を手がけるマツオカコーポレーションなど、普通の人はあまり見聞きしない企業が多数、上位に入っています。

運用レポートに記載されている企業のホームページにアクセスして、その会社の業務内容や業績を調べてみると、プロのファンドマネジャーたちが一体どういった点に注目して独自の投資を行っているかを学ぶことができます。

プロの「目利き力」から学んで投資の実力アップ!

選別された企業は当然、プロのファンドマネジャーが会社訪問なども行なって、熟慮に熟慮を重ねた末に選んだ銘柄です。知名度は高くないものの、毎年売上高倍増の急成長が続いていたり、業績が非常に安定していて高い収益率を維持していたりと、いずれもキラリと光るところがある有望銘柄です。

業務内容などを企業のホームページや決算短信で確認すると、今、プロの投資家の間でどういった分野、どんな技術やビジネスモデルを持った企業が注目されているのか、流行の人気セクターの傾向も感じ取ることができます。

隠れた優良企業を見つけるための投資センスを磨くという意味でも、アクティブ型の投資信託、特に中小型株ファンドの運用レポートは良い教材になるかもしれません。

(提供:フィデリティ投信