経営者や富裕層がたしなむスポーツの王道といえば、やはりゴルフをおいてほかにはありません。ソフトバンクの孫正義氏やファーストリテイリングの柳井正氏は自宅にグリーンや練習場を作るほど、ゴルフに情熱をささげているそうです。社内での出世やパイプ作り、取引先との商談や人脈作りにも直結するスポーツだけあって、ゴルフの話題にはある程度ついていけるようになりたいものです。
名門ゴルフクラブや高級クラブのブランドに注目
ゴルフといえば、最近では安倍首相とトランプ大統領が盛んにゴルフ外交を繰り広げていることが話題になっています。ゴルフ外交の舞台になったのは、フロリダ州パームビーチにあるトランプ氏所有の別荘「マー・ア・ラゴ」近郊にある「トランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブ」や、2020年東京オリンピックのゴルフ競技会場にもなる名門の「霞ヶ関カンツリー倶楽部」(埼玉県川越市)です。
安倍首相がトランプ大統領に贈ったのは日本の老舗ゴルフクラブメーカー・本間ゴルフの1本3,755ドルもするドライバーで、ヘッドが金色の特注品だったといわれています。日頃、トランプ氏が愛用しているクラブでは、アメリカのテイラーメイド社のプロ仕様のアイアンがオークションなどに出品されているようです。
スコッティ・キャメロンのパターは1本数百万円も
ゴルフクラブというと、アメリカのキャラウェイや日本のブリヂストン、ダンロップといったブランドが有名ですが、通好みのプレイヤーは米国のテイラーメイド社やタイトリスト社といったブランドを好むようです。
なかでも珠玉のブランドといえるのが、タイトリスト社が保有するゴルフクラブで、職人の名前を冠した「スコッティ・キャメロン」ブランドのパターです。限定品になると鑑定書付きで1本数百万円で取引されることもあります。
最近、首都圏には「RIZAP GOLF」をはじめ、練習用のゴルフシミュレーターなどを設置したゴルフスクールやサロンがたくさんできていますが、そういったゴルフサロンなどに箔づけの意味も込めて飾られていたりします。
ゴルフがエグゼクティブに愛される理由
ゴルフはプレイ中だけでなくホール間の移動、クラブハウスでの食事、ゴルフ場までのアクセスなど、プレイ相手と濃密な「時間」を共有することができるスポーツです。ゴルフを通じて人間関係の距離を縮め、たとえコース上では一切ビジネスの話はしなくても、ビジネスパートナーとの商談や交渉、社内コンペなどでは上司と部下のコミュニケーションを円滑にする効果は計り知れません。
ゴルフは、ラフやバンカーなど逆境からのリカバリーを楽しむスポーツでもあります。どんな状況に置かれても冷静に、紳士的に自分を律することができるかを試され、かつ相手からも観察されることで成長できる、社会性の強いスポーツなのです。
また、ゴルフにはコースの分析やクラブの選択、風向きや傾斜、芝目を読んだうえでの緻密なプレイなど、さまざまな能力が要求されます。集中力や持続力を切らしたら負け、という点ではゴルフと会社経営には共通点が非常に多いことも、名だたる経営者にゴルフフリークが多い理由といえるでしょう。
団塊世代が75歳になる2020年前後にはゴルフ人口のさらなる減少が危惧されています。しかし、ゴルフを愛してやまない経営者や富裕層が依然として多いように、ゴルフとビジネスの切っても切れない関係は今後も末永く続きそうです。
(提供:フィデリティ投信)