買い取り拡大で商機広がる

株式新聞,リユース業界
(画像=PIXTA)

法改正を追い風に、リユース関連企業の商機が拡大しそうだ。ブランド物や洋服といった中古品売買はインターネット上での個人間取引が拡大している一方、信頼性を重視して業者を利用する層も根強く残る。仮設店舗での買い取りなどを認める規制緩和により、市場は一段と活性化する公算だ。

10月24日に施行された改正古物営業法では、二つの大きな点がそれまでと変わっている。一つは商品の買い取り場所だ。従来は常設店舗か顧客の家に限られていたが、商業施設の催事スペースやイベント会場などの仮設店舗でも可能になった。

また、買い取りの際に必要となる本人確認では、スマートフォンで撮影した顔写真付き身分証明書の画像送付や、ICチップ情報が使えるようになった。

リユース大手のコメ兵(2780・(2))は、法改正を受けた試みを始めている。「コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングス(3543)と組み、喫茶店の駐車スペースに移動式の買い取り店舗を出店。ここでの反響をみて、常設店舗以外での買い取りサービスを本格化する。

高齢化が進む中、いわゆる「終活」のための遺品整理に絡んでも同社は買い取り機会を広げていきたい考え。規制緩和で勢いが付きそうだ。

家電、家具のリユースを手掛けるトレジャー・ファクトリー(=トレファク、3093)も、新局面をにらむ。同社はこれまでマンションの管理組合を通じて各家庭にアクセスしていたが、法改正により建物の共有スペースでの買い取りにも乗り出す可能性がある。また、百貨店のイベントスペースの活用も検討している。

ゲームや中古携帯電話、古着など幅広いリユース商材を取り扱うゲオホールディングス(2681)にとっても好機となりそうだ。同社は今3月期を「投資フェーズ」と位置付け、総合リユース店の「セカンドストリート」を中心に積極出店を図る。また、Eコマース(電子商取引)環境の整備も進め、将来的な収益成長につなげる狙いだ。

今3月期は先行投資の負担で連結営業利益は前期比41%の大幅減を計画するが、足元では販売、買い取りともに好調に推移。特に高価格帯商品の売上が伸びており、「リユース業界の活性化が好影響をおよぼしている」(同社IR担当)。

リユースをめぐっては、来年10月に予定されている消費税の8%から10%への引き上げに伴い価格競争力の高さが見直される可能性がある。各社の株価は調整を経て値ごろ感を強めている。このほか、ブランド品買い取り店を運営するSOU(9270・M)や中古カメラ販売のシュッピン(3179)といった関連株にも注目したい。(11月1日株式新聞掲載記事)

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