副収入源として期待されることの多い資産運用ですが、本業のキャリア形成へ与える影響についても考えておきましょう。資産運用からの収入があると、キャリア形成でリスクを取るときにも経済的・精神的に余裕を持つことができます。ここからはキャリア形成と資産運用の「正の相乗効果」について紹介します。

資産運用とキャリア形成の相乗効果とは

資産運用
(画像=Shutterstock)

長期的な計画を立て、早い段階から資産運用に取り組むことで、キャリア形成に集中できるようになります。稼いだお金をすべて消費するのではなく、金融機関にお金を預けっぱなしするのでもなく、運用によって増やすことで老後へ備えることができるのです。

また、資産が形成できていないと、転職を考えたときに「収入が一時的にでも下がったら不安で耐えられない」と、思いとどまるケースがあるかもしれません。しかし運用をしていれば、一時的な収入の上下より長期的なキャリア形成を重視するかたちで転職を決断できるでしょう。このように資産運用は、キャリア形成に良い影響を及ぼすといえます。

逆に、キャリア形成によって資産運用に良い影響を与えるケースもあります。キャリアアップで収入が上昇すれば、運用できる資産額も自ずと増えます。そうすると、資産の上昇幅も大きくなるでしょう。たとえば、年利3%で10万円を運用しても3,000円の配当金・分配金にしかなりませんが、運用額が1,000万円にもなれば30万円になります。つまり、キャリアアップによる収入アップで「種銭(たねせん)」が大きくなれば、運用による恩恵も大きくなります。

以上のように、資産運用とキャリア形成との間には相乗効果が存在します。どちらも長期計画でじっくり取り組み、人生を豊かにしてくれる手段の一つといえるでしょう。

資産は分散投資、キャリアは集中投資

資産運用とキャリア形成のバランスのポイントは、資産運用においては「分散投資」、キャリア形成においては「集中投資」を心がけることでしょう。資産運用をする場合、仕事に集中するためにも、手間のかからない運用方法を選びましょう。チャートに張りつくことを求められるデイトレード、FXといった方法は避けるほうが良いでしょう。

その点、分散投資なら本業に支障なく投資でき、リスクも分散できます。たとえば、資産を株式・債券・不動産などに分散すれば、いずれか一つの価格が下落してもダメージを抑えられます。また、購入タイミングを分散させるのも分散投資としては有効です。

投資信託&積立投資でキャリア形成に集中

キャリア形成に集中するためにも、将来のための資産形成は他人に任せたり自動化したりして、手間をかけなくて済むようにしましょう。自分で一つひとつ購入するのが面倒であれば、投資信託に積立投資する方法があります。複数のファンドに投資を「信託」してお金を預ければ、積立をしながら分散投資もできます。投資信託のポイントは、専門家(ポートフォリオ・マネージャー)に投資先の選択を任せられることです。

投資信託は、少額の投資からはじめられるのもメリットです。積立投資であれば、月1万円や5,000円といったレベルから投資がはじめられます。そのため、資産運用初心者におすすめといえるでしょう。

まずは資産運用で収入の柱をつくり、本業に集中できる体制を整えましょう。収入が増えることによって心にも余裕が出てきます。さらに、資産運用の資金を徐々に増やせば、リターンも大きくなる可能性があります。今後の人生にプラスの影響を与えられるようにするのが、キャリア形成をベースとした資産運用のポイントです。

(提供:フィデリティ投信