憧れのマイホームを手に入れる日を夢見て、日々、仕事に勤んでいる人も多いのではないでしょうか。マイホームは人生のなかで最も高額な買い物でもあることから、日本ではある程度、資金が貯まってから購入に踏み切る人が大半です。しかし、海外ではその辺りの事情が少し異なります。

今回は、不動産購入に対する日本と米国の違いについて紹介します。

日本における不動産購入年齢は平均40歳前後

不動産購入
(画像=Shutterstock)

2016年の国土交通省による「住宅市場動向調査報告書」によれば、日本人の不動産購入年齢は新築の注文住宅で平均40.9歳。最も購入者平均年齢が低い分譲戸建て住宅でも38.9歳となっており、40歳前後でマイホーム購入に踏み切る人が多いことがわかります。40代といえばまさに働き盛り。20代、30代と頑張って頭金を貯め、40代に憧れのマイホームを手にするというのが大まかな流れのようです。

日本では「終の棲家」となることも考えてマイホームを購入するケースが主流です。その主な理由は、新築に比べて中古住宅は値崩れしてしまうことがあげられるでしょう。消費税引き上げの延期や金利ゼロ政策の影響もあって、2017年以降国内における不動産購入は追い風となっていますが、それでもマイホーム購入には慎重な日本人の姿勢がうかがえます。

米国では20代で不動産購入も珍しくない!?

米国では、2016年の結果によると「不動産を購入した人」の平均年齢は32歳でした。日本に比べると若いことがわかります。しかもその内訳をみると、不動産をはじめて購入した人の割合はたったの35%でした。つまりこの数字が何を表しているのかというと、米国では若いうちから不動産を購入し、結婚、出産、子育て、転職、リタイアなど人生のステージの変化に合わせて住み替えていくスタイルが主流ということがわかります。

新築志向が強い日本と比べ、米国では中古住宅の価値が下がりにくく、不動産の立地やリフォーム次第ではむしろ購入時より価格が高くなるケースも意外と多くあります。そのため、マイホームを入手するという理由以外にも、不動産投資、節税などの金銭的メリットを考えて早くから購入に踏み切る人が多いようです。

さらに、不動産購入を後押しする制度として米国の住宅ローンには年齢制限がないこと、買い手は不動産購入の仲介手数料が無料であることなどがあげられます。はじめて不動産を購入する人に対しては、少額の頭金(場合によっては頭金なし)での購入が可能となるなどの優遇プログラムもあり、国全体が不動産購入を推進しているといっても過言ではないでしょう。

不動産購入のメリットを今一度考えよう

日本と米国では不動産購入の背景に大きな違いがあるため、不動産購入の時期について早いほうが良いあるいは、悪いということはありません。しかし、日本では不動産の購入に慎重になりすぎて節税や不動産投資といった不動産購入のメリットを見落としがちなのもまた事実です。

米国では自分のお金は自ら運用するという姿勢が主流です。日本ではまだまだ資産運用に消極的な人もいますが、マイホームもその入手だけにとどまらず、不動産購入の全体的なメリットを今一度考えてみても良いかもしれません。

(提供:フィデリティ投信