ZUU 代表の冨田和成が『大富豪が実践しているお金の哲学』(クロスメディア・パブリッシング)を出版して約2年が過ぎた。この2年の間にも経済環境はめまぐるしく変化している。では「大富豪になるための哲学」に何か変化はあったのだろうか。「大富豪の考え方はわかったが、一般人はどう行動すればいいのか」という読者の意見に対する答えは。特集第2回は、世の中の「お金持ちへのイメージ」について。お金を稼ぐ手段が増えるなか、お金に対するイメージはどのように変わってきているのだろうか。(聞き手・編集:平 行男/ライター)

大富豪が実践する「お金の哲学」
(画像=大富豪が実践する「お金の哲学」)

大富豪は「ずる賢い人」「悪い人」か?

――本のなかでは、以下のような項目がありました。『大富豪が実践しているお金の哲学』を出版した2016年と比べて、ZUU onlineのようなお金をテーマにしたメディアは増えているようです。iDeCoやNISAの投資に関する制度も浸透してきました。お金に興味関心を持つ人が増えたことで、大富豪に対するイメージも変わりましたか?

[about イメージ] イメージとして 一般人にとって、大富豪は「ずる賢い人」 小金持ちにとって、大富豪は「優秀な人」 大富豪にとって、大富豪は「まっとうな人」

徐々に変わってきていると思います。大富豪に「ずる賢い」とか「悪人」というイメージが付いたのは、明らかに、そういう取り上げられ方をした方が面白いからだと思います。大富豪になった人はお金の亡者で、人を蹴落として、マンションに愛人を囲っていて……とか。そういう話とセットになっていた方が面白いし、一般受けはいいから、マスコミで取り上げられるのもそういう例ばかりですよね。

時代劇でもよくあります。大富豪はいろんな悪さをして私腹を肥やしていて、大きな屋敷に住んでいる。そこで鼠小僧のような市井のヒーローが立ち上がり、大富豪のお金を盗んで、貧しい人にお金を分け与える……。そんなストーリーは昔から人気です。日本昔話などでも、お金持ちの庄屋さんはだいたい意地悪な人として描かれています。

なぜ大富豪が悪人のイメージになったかというと、その方がマスの共感を得られるからです。マルクスの『資本論』にもあったとおり、資本主義社会は労働者と資本家で成り立っていて、資本家と労働者は対立の関係にある。その関係を面白おかしくストーリーにすると、どうしても大富豪が悪者になってしまうわけです。

それに派手な人たちを取り上げるのって楽しいじゃないですか。たとえばZOZOの前澤友作さんのような人。私はお会いしたことはないのですが、ニュースなどで話題をよく見聞きします。ジェット機を買ったり著名なアーティストの絵画を買ったり、月旅行に行く計画を発表したり……。ああいった派手な生活をしている大富豪の話は面白いし、印象に残りやすい。一挙手一投足に注目されてしまい、揚げ足を取られて、叩かれることもある。そして何となく悪いイメージを抱いてしまう人もなかにはいるのでしょう。

――本のなかでは、大富豪は「まっとうな人」と解説していますね。