大富豪が実践する「お金の哲学」の特集第4回は、大富豪になるために身につけたいスキルについて。どのようなスキルを磨けばよいのだろうか。(聞き手・編集:平 行男/ライター)
自己投資は本当に収入に結びつくのか?
──本の中では何度も、自己投資の大切さを訴えていますね。「大富豪は自己投資に給料の半分を使う」「通勤時間のムダを省くため、家賃が高くても会社の近くに自宅を借りる」など。大富豪は、「いかに仕事のパフォーマンスが上がるか」で物事を判断し、収入は後からついてくるものと考える、という説明もありました。自己投資の大切さはわかりますが、その投資が本当に、後から収入につながるのかという不安もあります。それについてはどうお考えでしょうか。
自己投資を収入に結びつける方法は、明確にあります。未来の目的、目標を強く思うこと。そこを絶対に目指すという覚悟があれば、全力で踏み込んでいけるし、継続し続けるはず。全力で継続すれば、他の人よりも必ず優位に立てるような自分なりの強みを獲得できます。だから、目的、目標をいかに強く持てるかが重要です。
──将来のビジョンがクリアになっていれば、リターンを得られるかどうかわからないという恐怖を乗り越えられるということですね。
もちろん、そのように未来を見据えている大富豪の人も、よく考えれば不確定要素や心配事をたくさん抱えているはずです。ただ、その不安や恐怖よりも、チャレンジ精神や達成への意欲が勝っているだけなんですよ。「これをやっていて収入につながるのだろうか」とか「将来本当に食っていけるのだろうか」という怖さよりも、未来へのワクワク感の方が勝っている。あるいは、リスクはリスクだと把握しているけれども、それ以上に大きなリターンがあると信じている。そういう状態だと思うんですよね。
それは将来のリスクを見つめていない、というわけじゃない。「もしこれが無意味な行為に終わったり、あるいは大失敗したりしても、最悪のケースはここまでだろう」と想定できているんです。リスクの範囲がどこまでなのかを明確にすることで、将来への怖さをコントロールできているということです。
戦争や紛争が日常茶飯事という時代に生きていたら、命の危険性はたくさんあると思いますが、現代の日本はそんな状況にはなりません。どん底まで落ちても、死ぬことはないでしょう。そういった最悪の状況を想定すれば、多少のトラブルなんてどうということはない。そう思えばいいんじゃないでしょうか。
――確かに、命に危険が迫ることはなかなかないですね。
何かに失敗して全財産を失うということもなかなかないでしょう。それにもし全財産を失い、さらに莫大な借金を抱えて返済ができなくなっても、自己破産をして再スタートを切ることはできます。やはり命に関わるほどの大きなダメージはないわけです。それなのに、「思った通りにお金を稼げないかもしれない」「投資したお金がムダになるかもしれない」という恐怖感を過剰に抱いてしまい、一歩踏み出せない。そんな人は多いのではないでしょうか。
そこで大切なのは、お金についての知識・スキルを身につけて、お金をコントロールすることです。そうすればお金に対する不安感や恐怖感をなくすことができます。私がZUUという会社を作ったのは、多くの人に、お金をコントロールする力を身につけてほしいという思いがあったから。お金をコントロールできるようになれば、みんながもっと夢や目標に向かって積極的にチャレンジできる世の中になるはずです。
――そうは言っても不安が残るし、そこまでクリアに目的や目標を意識できないという人もいますよね。
そうかもしれません。そんな人は、未来のリターンと自己投資のバランスをよく考えて行動することですね。一石二鳥を目指すということです。たとえば、ある程度お金を稼ぐこともできるし、自分の人的資本の積み上げにもつながる、そんな仕事や機会を選ぶということも一つの方法です。個人のB/Sの人的資本の部に含まれるものは、知識・スキル、健康、人脈、信用(ブランド)など。会社員として給料をもらいながら、それらの人的資本を積み上げることを意識すれば、ほとんどリスクがなく、将来のリターンを大きくすることができるでしょう。
コミュニケーションスキルはどう身につけるか
──スキルの話した出たところで、もう少し詳しくお聞きします。本の第2章の項目で、次のような記載があります。まず自己投資をするべき分野として、コミュニケーションスキル、ファイナンスの知識、PDCA力、英語を挙げています。なかでも効果が大きいのはコミュニケーションスキルとのことですが、具体的にはどのようなスキルでしょうか。
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大富豪は、魅力的な話し方