ZUU 代表の冨田和成が『大富豪が実践しているお金の哲学』(クロスメディア・パブリッシング)を出版して約2年が過ぎた。この2年の間にも経済環境はめまぐるしく変化している。では「大富豪になるための哲学」に何か変化はあったのだろうか。特集第3回は、「大富豪が実践する節約」について。大富豪はどのような観点で節約を実践するのだろうか。(聞き手・編集:平 行男/ライター)

――大富豪の感情コントロールについてお聞きします。本のなかにはこんな項目がありました。そして、大富豪は失敗に直面すると自分のせいにして、その失敗を教訓として、プラスに転化させようとする。そのためには、失敗をおそれない感情コントロールが重要との記載がありました。でも感情をコントロールしようとしても、実際にはなかなか難しいですよね。

[about 改善力]
うまくいかない理由を
一般人は、社会のせいにする
小金持ちは、運のせいにする
大富豪は、自分のせいにする

難しいですね。普段私たちは、「自分の考えは正しい」「自分は間違ったことをしていない」と信じて行動していて、そのことにより自我が保たれています。だから多くの人たちは、現実が自分の思い通りにいかなくても、それほど辛いと思わずにいられます。それは、「今は本気出してないけど、本気出したら俺すごいぜ」「自分はやればできる」と思っているから。常に自分にはポテンシャルがある、可能性があると思っていることが自信にもつながるわけです。また、うまくいかない理由を「社会のせい」にしたり「運のせい」にしたりすることも同じで、誰かのせいにすることで、自分がつらい思いをしないで済みます。

一方、うまくいかないことや失敗を「すべて自分のせい」と考える大富豪の考え方は、実はすごく苦しい。それは自己否定だからです。「自分に実力が足りなかった」とか「自分の判断が失敗だった」と考えて、自分自身を見つめなければならない。それって苦しくて辛いことなんですよね。

自己否定することで、時には自分に対して自信を失ってしまうこともある。自信が失われた状態というのは、すごく苦しいんです。だって自分自身に対する信頼を失ってしまうということですから。

――では失敗に直面した時に、その経験をプラスに転化するには、どのように考えればいいのでしょうか。