ニュースでよく耳にする、NYダウ(ニューヨークダウ)という言葉。何となく聞き流しているけれど、「具体的に何を指しているのか、いま一つわからない」という人は意外と多いのではないでしょうか。世界経済はもとより、日本経済を知る上でもぜひ覚えておきたいNYダウの詳細や世界の株価、日経平均株価との関係性について解説します。

まずは基本から NYダウって何のこと?

NYダウ
(画像=PIXTA)

NYダウとは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P Dow Jones Indices)という会社が算出し、リアルタイムで公表しているアメリカの代表的な株価指数のことです。株価指数とは、複数の上場会社の株価を総合して特定の計算方法で数値化したもので、株式の相場の状況を判断するために使用されています。日本であれば、日経平均株価(日経225)や東証株価指数(TOPIX)が代表的な株価指数として有名です。

NYダウの正式名称は、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average)といい、ダウ平均、ダウ工業株30種といった呼ばれ方をすることもあります。マイクロソフト(Microsoft Corporation)やザ コカ・コーラ カンパニー(The Coca-Cola Company)、ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)などのアメリカを代表する優良銘柄で構成されています。

しかし、「ダウ工業株30種」ではあるものの、この30銘柄は固定されているわけではなく、時代に合わせて都度、銘柄の入れ替えが行われているのです。2015年にはiPhoneで有名なアップル(Apple Inc.)が採用され、大きな話題となりました。

NYダウは、世界的なビジネス紙、ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)を発行しているダウ・ジョーンズ社(Dow Jones)が、1896年に初めて発表しました。以来、120年以上の歴史を誇る世界的に有名な株価指数として、世界の注目を集め続けています。

世界がNYダウに注目する理由、それは……

NYダウはあくまでもアメリカ発信の株価指数であり、しかもその銘柄数はたったの30銘柄しかありません。しかし、世界中の投資家たちが注目する理由とは何なのでしょうか。NYダウを構成する銘柄に目を通すと、日本人の私たちにもなじみのある企業名が多く含まれていることに気がつきます。

NYダウの構成銘柄は、アメリカ企業の中でも世界各地で事業展開をしているグローバルな有名企業が多いため、NYダウはアメリカのみならず世界経済を反映した指数ともいえるでしょう。そのため、世界の経済動向や今後の相場の変動を見極める指標として、世界中の投資家たちはNYダウを常にチェックしているのです。

NYダウと日経平均株価との深い関係

NYダウはアメリカの株価指数であるのに対し、日経平均株価は日本の株価指数です。実は日経平均株価の求め方はNYダウと同じ方式に、日本固有の株式取引制度を加味した計算方法が取られており、銘柄225種を総合して平均化した数値が採用されています。したがって、日経平均株価の値動きはNYダウと連動することも少なくありません。

また、ニューヨークの証券取引所の終了時間は日本の朝6時(※サマータイムでは日本の朝5時まで) であるのに対し、東京証券取引所の開始時刻は朝9時です。ニューヨークでその日の取引が終了したあとに東京での取引が始まるため、ニューヨークでの価格が、その日の日経平均株価に影響を与えるケースが多いとされています。

NYダウを知れば、経済も投資もますますおもしろくなる!

今まで漠然と目にしていたNYダウも、「その数値が何を意味するのか」「どのような影響を及ぼすのか」を知っていると、より経済の動きが深く読めるようになります。その動きにより、株の値段が上がったり下がったりもするのです。日々の値動きに一喜一憂する必要はありませんが、その変化を知ることで経済も投資もきっとおもしろく感じることでしょう。今後は日経平均株価のみならず、ぜひNYダウにも注目してみてみるのはいかがでしょうか。

(提供:フィデリティ投信