金融庁による「貯蓄から資産形成」というメッセージに象徴されるように、近年投資への注目度が増し、将来のために、すでに資産運用を始めている方も多いかと思います。一方で、興味はあるものの、実際に投資するにはまだハードルが高いと感じている方もいるでしょう。投資に二の足を踏んでいる方は、少し考え方を変えて、「投資≒資格取得(ほぼ等しい)」という感覚で捉えてみてはいかがでしょうか。「投資と資格取得は別物」と感じる方もいると思いますが、実は両者の本質はとても似ています。

自己投資とお金の投資の共通点とは?

資格取得と投資
(画像=Jacob Lund_Shutterstock.com)

キャリアアップを目指すための資格取得や将来転職を果たすために新たな分野を勉強することなどは「自己投資」と言われます。さらには英語などの語学力を身につけることも同様に自己投資の一種です。こうした自己投資と株や投資信託などへの投資の共通点は、「現在の時間や資金などのリソースを投入することで、将来のリターンを目指す」という部分です。

例えば、資格取得を目指す場合、受講料や教材費などの費用に加えて、勉強時間を投入することで、将来のリターンが得られます。具体的には、資格取得によって給与が上がったり、より高待遇の職場へのキャリアアップなどが実現できます。

お金の投資も同様に、投資先を選別する際の情報収集などに使う「時間」と、現在持っている「資金」を投下することで、将来のリターンが期待できます。

「現在の価値」と「将来の価値」を正しく理解してリターンを得る

自己投資にしても、お金の投資にしても、必要なのは「現在の価値」と「将来の価値」を正しく理解することです。資格取得や習い事であれば、遊びたいという誘惑を抑えて勉強に集中しなければ将来のリターンを得ることはできません。同様にお金の投資でも、手元にあるお金を使いたいという気持ちを抑えて、投資に回さなければリターンを生むことはできません。2つの価値の違いを理解して、いかに適切なタイミングで、適切なリソースを投入するかが、自己投資、お金の投資ともに成否の分かれ目になります。

身近なところで言うと、ボーナスの大半を使って海外旅行することで一時的に楽しく過ごせます。しかし、純粋な楽しみのための出費やその場限りの散財からは、将来のリターンが生まれることはありません。将来の成長を見据えて、「時間」と「資金」を適切に投資に回すことでリターンが生まれる可能性が高まります。

リターンの最大化をイメージしてセルフコントロール

現在と将来の価値を正しく理解するということは、多くの人にとって、言うは易く行うは難しでしょう。今後のために今は我慢しなければと頭でわかっていても、誘惑に負けて快楽を優先してしまい、結果的に将来のリターンを失うことになりかねません。

自分の欲望に打ち克つ考え方はいくつかあります。有効な手法の一つが、リターンを得て夢を叶えた時のイメージを膨らませるというものです。頭の中でリターンを最大化し続けることで、継続的なセルフコントロールがしやすくなります。

例えば、資格取得の勉強に挫けそうになったら、資格取得後に新天地で活躍している自分の将来像をイメージするといった具合です。お金の投資に踏み切れなかったり、挫折しそうであれば、順調な資産運用を達成した後に、夫婦や家族でゆとりある生活を享受している姿をイメージすることも効果的でしょう。

投資をしたいと思っているだけでは未来は変わらない

このように自己投資もお金の投資も、将来のリターンを目指すという意味では、根本の考え方や成功ポイントは同じです。お金の投資に対しては、あまり気負い過ぎず、資格取得と同様の感覚でスタートしてみるのも一つのやり方と言えます。

とはいえ、未経験の方がお金の投資をはじめるのは勇気がいることです。そういった方におすすめなのは、決めた商品を積立方式で購入していく方法です。例えば投資信託の積立は、証券会社によっては毎日・毎週・毎月と細かく引き落としタイミングを設定できたり、最低引き落とし額が100円からできたりします。また、一度設定してしまえば後は決めた銘柄・設定額を自動で購入してくれるため、労力も最小限で済みます。

まずは少額投資で自分との相性を確かめてみるのもいいでしょう。そこから見えてくる新たなステージがあるはずです。

(提供:フィデリティ投信