「フィンテック」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

フィンテックとは、「Financial(ファイナンシャル)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語です。もともと金融機関は、ATMや勘定系のシステムなど、今では当たり前の技術を活用したサービスを展開してきました。しかし、フィンテック技術の進歩により、従来型のサービスだけでなく、今までになかった革新的なサービスも生み出されているのです。現代では、ビッグデータの解析やAIなどITの技術が急速に進んでいます。これに伴い、国内のフィンテックサービスもさまざまなものが誕生しているのです。

どのようなフィンテックサービスがあるのか?

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(画像=PIXTA)

それでは、実際にどのようなフィンテックサービスがあるのでしょうか。代表的な4つのサービスをみていきましょう。

オンラインバンキング

インターネットを通じて、24時間365日利用できるオンラインバンキングは、実はフィンテックサービスの一つです。すでに多くの人が利用しているのではないでしょうか。パソコンはもとより、スマートフォンさえあれば、決済や取引、送金などを、場所を選ばずに行えます。預金を引き出すにはコンビニATMを利用することも可能で、銀行各社が設置したATMにわざわざ駆け込む必要もなくなりました。仕事が忙しい人はもちろん、育児などでなかなか外出できない人などにも利用が拡大し、それに伴い今後、さまざまなサービスも拡充することでしょう。

おサイフケータイ

おサイフケータイもフィンテックサービスの一つとしてあげられます。おサイフケータイがあれば、電子マネーだけでなく、ポイントカードもスマートフォン一つで管理することができます。利用するには、おサイフケータイをリーダーにかざすだけなので簡単です。

仮想通貨

最近、話題になっている仮想通貨は、フィンテック技術が生み出したものの一つといわれています。通貨が硬貨や紙幣からデジタルに移行することで懸念されるのが、記録された通貨の所有量などが悪意のある者に改ざんされないかどうかということです。そこでこの課題をクリアする技術として、フィンテック技術である「ブロックチェーン」が利用されています。 ブロックチェーンは、世界中の複数のコンピューターによって管理されている、仮想通貨取引などに使用されている分散型台帳技術です。ブロックチェーンは記録されたデータの改ざんが難しい技術として注目されており、これによりフィンテック技術の有効性が示されつつあるといえます。

クラウド会計・家計簿サービス

クラウド型の会計ソフトや家計簿サービスも、フィンテックの一つでしょう。お金の管理が最新のソフトやスマートフォンなどのアプリ上で簡単に行えるようになったことで、さまざまなメリットが生まれているといえます。たとえば企業では、クラウド会計ソフトを利用することで、会社の財務状況がよくわかるようになり、銀行などの融資審査が円滑に進むことが考えられます。将来的にはお金の管理をクラウド上で済ませることで、法人・個人問わず、さまざまな金融サービスが受けやすくなるかもしれません。

今後どのようなフィンテックサービスが流行する?

すでに利用しているものも含め、フィンテックを使ったサービスにはさまざまな種類がありましたが、では、今後はどのようなフィンテックサービスが普及していくのでしょうか。

P2Pレンディング

現在は貸金業法で規制されていますが、個人間のお金の貸し借りを後押しするサービスであるP2Pレンディングは、今後、広まっていく可能性を秘めています。P2Pレンディングを活用すれば、借りたい人は金融機関より低い金利で借りることができ、貸し手も従来よりも低コストで資金を運用できる可能性があります。

保険

おなじみの保険サービスも、今後、フィンテックの影響を受けるかもしれません。たとえば、自動車保険は、事故の有無だけでなく、普段の運転の技術などがIoT(モノのインターネット)によりデータとして収集され、その分析結果に応じて保険料に差をつけるようなことも考えられます。病気の発症リスク予測など生命保険分野への影響も考えられ、フィンテックが保険のあり方を変える可能性があります。

フィンテックは、より身近な存在になる

フィンテックと聞くと「難しい」「自分にはまだ関係ない」と思うかもしれません。しかし、フィンテックはすでに普段の生活で利用され、今後さらに普及が進むことが予想されます。フィンテックサービスは今後、より身近な存在となり、お金をより便利に扱うことを後押ししてくれるでしょう。

(提供:フィデリティ投信