全般相場は荒れ模様が続いているものの、有力材料に絞った物色の勢いに衰えはない。5日は、株式新聞でも注目してきた、国土強じん化関連銘柄の一角に買いが流入した。もう一つの大型テーマである外国人労働者受け入れ拡大への関心も、今後一段と高まりそうだ。中でも、インソース(6200)、ジェイ・エス・ビー(=JSB、3480)、アルバイトタイムス(=アルバイトT、2341・JQ)に注目したい。
インソース――研修サービスで実績、52週線が支える展開へ
講師派遣型の研修サービスを展開するインソースは、外国人労働者の受け入れ拡大で膨らむ需要を先取りする。
外国人労働者の増加で懸念されるのは、文化の違いによる混乱だ。同社の講義は、日本企業における慣習から、受け入れる側の日本人スタッフに対するものまで幅広い。海外進出する日系企業向けに積み上げてきた実績を裏付けに、ここでも商機をつかむ構えだ。
今9月期の連結営業利益は12億円(前期比24%増)を計画。教育による効率化で人手不足を解決したいというニーズを背景に、講師派遣やeラーニングが伸びている。ヘルスケアや人事評価サービス、人材派遣といった周辺事業も強化している。
株価は2500円を基軸とする高値圏でのもみ合いが続いている。ただ、上昇してきた52週移動平均線が今後の下値のサポートラインとなる可能性がある。
JSB――中国留学生取り込む、調整十分で反転へ
学生向け賃貸マンション大手のジェイ・エス・ビー(JSB)は、中国人留学生向け住居紹介の実績が豊富な「ユーホームス」と組み、在留外国人の需要の取り込みを急ぐ。
JSBは外国人留学生向け賃貸ブランドを昨年立ち上げた。提携するユーホームスは、これまでおよそ5万人の中国人留学生に海外での住居を斡旋(あっせん)。外国人労働者の受け入れ拡大に伴い留学生の流入も勢いを増すことが予想される。海外の機関投資家にとっても、学生寮やマンションが魅力的な投資対象となっており、JSBへの関心も高まりそうだ。
前10月期の連結営業利益は30億円(前々期比6.5%増)と、期初計画(29億円)を上回ったもよう。日本初の学生向け不動産賃貸を手掛けた同社は、大学とのパイプも太い。株価は4月の実質最高値6980円から4割近い調整を経ており、足元では底打ち感が出ている。上値を押さえる13週移動平均線を回復すると、戻りの動きが加速しそうだ。
アルバイトT――ミャンマー向け求人情報展開、値の軽さも魅力
東京、大阪といった都心部で外国人労働者の増加が目立つ一方、伝統的に製造業が集積する静岡県も重要なエリア。同県地盤のアルバイトタイムス(アルバイトT)は、ミャンマー人に特化した外国求人情報を強化している。
無料求人情報誌「ドーモ」を手掛ける同社は、ミャンマー人向けの採用支援サービスも展開。ミャンマーは2011年に民政に移管し、外資系企業の進出が進む。現地での鉄道整備などを通じて日本企業の知名度は高く、ミャンマー人の中で日本で働く選択が増える可能性は高い。
今2月期の連結営業利益は6億円(前期比14%増)を予想。株価は200円台でのもみ合いを続けるが、昨年11月に一時288円まで急騰するなど値の軽さが見逃せない。(12月6日株式新聞掲載記事)
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