前日については、NYダウの上昇幅が1,086ドルとなった翌日ということもり、どういった動きになるのかに注目が集まりましたが、結果としてはあくまで調整主体の動きが主導しました。NYダウについては一時610ドル超下落し、ナイト・セッションの日経平均先物が520円下げるなど、ドル円については、111円のラインを割り込み、一時110.459円まで下値を拡大しました。

ただ、NYダウについては一部報道では「年金ネームの買いが入った」とも言われていますが、急速に買い戻され、プラス圏を回復し、一時260ドル超上昇するなど、動き的には非常に荒い動きとなりました。ドル円は111円台を回復したものの、その後は利食い優勢の動きが観測され、大きく方向性を傾けるには至っていません。年末相場であることも加味すると、現状のレンジを大きく乖離する動きにはならない公算です。

110.50-111.80円がコアレンジになるのではないかと昨日寄稿させて頂きましたが、110.50円で大きく反発していることを考えると、マーケット自体も110.50円のラインがサポートであると考えている可能性があります。ただ、それ以上に本日の日経平均株価の引け値が重要になりそうです。本日は大納会となり、日経平均株価が20,000円台を維持できるかどうかが注目されています。20,000円を割り込んで引けるようだと、年末年始に向けて下落方向にバイアスがかかるかもしれません。ただ、20,000円を維持できるようであれば、上昇方向にマーケットの目線が移りそうです。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が「トランプ大統領とパウエルFRB議長との会談は非常に有益なものになるだろう」と発言しており、ホワイトハウスとFRBの確執は徐々に雪解けに向かっています。ただ、引き続き米中通商協議については、懸念材料となっています。ホワイトハウス関係者が「トランプ米大統領は、米企業による華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の通信機器利用を禁止する大統領令を検討している」と発言していることもあり、現実となれば米中で対立することは明らかです。中国商務省は「来年1月に対面での貿易協議を計画している」と発言していることもあり、この協議前に大統領令が発動されれば、一気にリスク回避の動きが強まる可能性は考慮する必要がありそうです。

上述したように、日経平均株価が20,000円を維持できるかどうかが非常に重要になってきそうです。既に米政府機関閉鎖が年越えになることは既定の事実となっており、ドルに対するリスクはこの時点で発生しています。年末年始については、材料が乏しくなることから、マーケットの市場心理が重要になります。日経平均株価が20,000円を維持できればリスク選好地合いが強まるでしょうし、維持できなかればリスク回避の動きが強まると考えられます。年末年始相場の分水嶺は、本日の大引けに大いに影響すると考えています。

ドル円111円台までヘ戻り待ち

1.1410ドルにて1.1440ドルのユーロドルショート、利食いで手仕舞です。結果的には、逆指値のレベルを引き下げて大正解でした。ここからは年末相場に突入するため、見極めが難しいところではありますが、ドル円が111円台では上値の重さが確認できますので、まずはドル円の戻りを待つことにします。

海外時間からの流れ

為替市場よりも、株式市場の方が不安定な動きを露呈しており、株価動向に引っ張られる地合いになりそうです。ただ、ドル円は111円台前半から半ばでは上値が重く、110円半ばから前半では底堅い動きを見せています。この動きが続くようであれば、完全にレンジ相場と考えてのトレードに徹する必要がありそうです。

今日の予定

本日は独・12月消費者物価指数(速報値)、米・12月シカゴ購買部協会景気指数、米・11月中古住宅販売保留指数などの経済指標が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。