【目次】
①ウイングアーク1stIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/4更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/1更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- ウイングアーク1st株式会社
- コード
- 4432
- 市場
- 東証1部又は東証2部(売出し条件決定後に決定する予定)
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 田中 潤 /1976年生
- 本店所在地
- 東京都港区六本木三丁目2番1号
- 設立年
- 2016年
- 従業員数
- 518人 (2019/12/31現在)(平均39.6歳、年収715.8万円)、連結602人
- 事業内容
- 企業の情報活用を促進するソフトウェアおよびクラウドサービスの提供
- URL
- http://www.wingarc.com/
- 株主数
- 7人(目論見書より)
- 資本金
- 200,000,000円 (2019/01/31現在)
- 上場時発行済み株数
- 31,198,000株(別に潜在株式4,229,000株)
- 公開株数
- 22,896,200株(売り出し20,955,000株、オーバーアロットメント1,941,200株)
- 調達資金使途
- 新事業への投資資金、M&A実施資金、人材確保、経営基盤の強化
- 連結会社
- 8社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/02/25→1,690~1,970円に決定
- ブックビルディング期間:2019/02/26 - 03/01
- 公開価格決定:2019/03/04
- 申込期間:2019/03/05 - 03/08
- 払込期日:-
- 上場日:2019/03/13
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- CJP WA Holdings, L.P. 27,575,900株 77.84%
- モノリス有限責任事業組合 1,400,000株 3.95%
- 伊藤忠商事(株) 935,900株 2.64%
- (株)インテージホールディングス 500,000株 1.41%
- (同)PKSHA Technology Capital 360,000株 1.02%
- 鈴与(株) 358,800株 1.01%
- 内野 弘幸 280,000株 0.79%
- 田中 潤 200,000株 0.56%
- 藤本 泰輔 140,000株 0.40%
- 島澤 甲 140,000株 0.40%
- 奥田 哲史 140,000株 0.40%
- 小島 薫 140,000株 0.40%
- 業績動向(単位:百万円)売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益
- 2017/02 連結実績 11,655 2,746 1,712 1,575
- 2018/02 連結実績 15,566 4,223 4,046 2,924
- 2018/11 連結3Q累計実績 13,158 4,154 4,029 2,808
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後180日目の平成31年9月8日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×仮条件上限)
- 451億0551万4000円(22,896,200株×1,970円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 4,229,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
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ウイングアーク1stは、企業向けに請求書等の帳票ソフトウェアの開発販売及び企業内のデータ分析・活用を行うソリューション提供を行う企業である。
2010年に1stホールディングスとしてJASDAQ市場に上昇し、2012年2月に東京証券取引所市場第二部に上場したが、2013年9月にMBOを行い上場が廃止された。その後、投資ファンドのカーライルが株式の大半を取得し現在に至っており、再上場案件である。
■沿革
同社は下記図のような沿革を経て現在に至っている。
2010年に1stホールディングスとしてJASDAQ市場に上場。そして2012年2月に東京証券取引所市場第二部に上場したが、2013年9月にMBOを行い上場が廃止されている。
その後、2016年3月に投資ファンドのカーライルが運営するCJP WA Holdingsが全株式を取得し完全子会社化された。よって現在の筆頭株主はカーラールグループのファンド・CJP WA Holdingsである。
■事業内容について
同社の事業は「データエンパワーメント事業」の単一セグメントであるが、企業の基幹業務を支える「ソフトウェア基盤ソリューション」と「データエンパワーメント(DE)ソリューション」の2部門より構成されている。
① ソフトウェア基盤ソリューション
同社は主に企業や自治体などに対して帳票のソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポート提供を行っている、同社開発のソフトウェアは請求書、納品書、発送伝票といった業務帳票や、市役所で発行される各種証明書類まで、幅広い分野で利用されている。
具体的には「SVF」シリーズのソフトウェアでサービスの提供中である。帳票市場における同社のシェアは69%と推定されており、非常に高い市場シェアを確保している。
② データエンパワーメントソリューション
同社は様々な種類のデータを組み合わせ、分析することで今までにない価値を生み出し、生産性の向上や効率化の実現をコンセプトとしたソリューションを提供している。経営者から現場の行う担当者まで、広い階層で利用されている。
具体的には、企業内で蓄積されたデータの分析ツール「Dr.Sum」、分析されたデータの活用ツール「MotionBoard」、紙文書の電子化ツール「SPA」という3種類のソフトウェアで本サービスの提供がなされている。
■サービス分野別売上推移
「ソフトウェア基盤ソリューション」と「データエンパワーメントソリューション」の2部門の売上は下記のように推移している。
「ソフトウェア基盤ソリューション」
2016年2月期 84億円
2017年2月期 91億円
2018年2月期 102億円
「データエンパワーメントソリューション」
2016年2月期 37億円
2017年2月期 42億円
2018年2月期 54億円
売上規模は「ソフトウェア基盤ソリューション」が「データエンパワーメントソリューション」の約2倍の規模を有している。
ただし同社としては、顧客に対してより付加価値の高いサービス提供可能な、「データエンパワーメントソリューション」を事業戦略の中核に位置付けている。
また両事業においてソフトウェアの保守サポートなどで継続的な収入(リカーリングレベニュー)が得られるビジネスモデルを採用している。
2018年2月期のリカーリング比率は54.0%となっており、売上高の約半数が安定的な収益源となっている。
■業績推移
2017年2月期 売上高117億円、当期利益16億円
2018年2月期 売上高156億円、当期利益29億円
2019年2月期(予想) 売上高168億円、当期利益32億円
2020年2月期(予想) 売上高180億円、当期利益37億円
※IFRS基準により財務諸表は作成
※当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益
売上高、当期利益のいずれも着実に増加を果たしている。
2019年2月期Q3は売上高132億円、当期利益28億円であり、通期予想に対する進捗は順調である。
■財務状況
2018年2月期末時点で総資産合計549億円に対して。資本合計172億円であり、自己資本比率31%である。
短期借入金15億円、長期借入金219億円に対して、現預及び現金同等物47億円となっている。
過去のMBOに伴う組織再編やM&Aの結果、貸借対照表の借方において、のれん273億円、その他の無形資産203億円となっている。両者合計は475億円であり資産合計549億円のうち、87%を占める状態である。
■資金使途
公募は行われず売出のみが行われる。よって同社としての資金調達はなされない。売出はカーライルのファンド・CJP WA Holdingsが保有の20,955,000株を拠出。売出総額は413億円である。
尚、CJP WA Holdingsの保有株数27,575,900株のうち、約76%が売出株となる予定となっている。
■株主状況
カーライルのファンドCJP WA Holdings,L.P.が、株主シェア78%を保有する筆頭株主。
第2位株主モノリス有限責任事業組合(株主シェア4.0%)は、役員保有の資産管理会社である。
事業会社の株主として伊藤忠商事<8001>(第3位、株主シェア2.6%)、インテージHD<4326>(第4位、同1.4%)、PKSHA Technology<3993>のグループ会社(第5位、同1.0%)、鈴与(第6位未上場、同1.0%)が株主となっている。
■今後の注目ポイント