要旨

ブラジル経済見通し
(画像=PIXTA)

ブラジルの2018年10-12月期の実質GDP成長率は前期比0.1%増(季節調整値)と、前期の同0.5%増から減速したが、8四半期連続のプラス成長となった。需要項目別では輸入の減少による純輸出の寄与度が高くなったものの、内需は低調であった。しかし、内需の落ち込みは10月の大統領選挙による一時的な要因と考えられる。

2018年の実質GDP成長率は前年比1.1%増と2017年から横ばいであったが、内需は大きく改善している。足元のファンダメンタルズは比較的良好であり、新政権への期待を背景に家計・企業ともに景況感が改善していることから、2019年は内需が牽引役となり、2018年から成長率が加速すると予想する。

2019年1月に誕生したボルソナロ新政権に対しては、国民及び市場の期待が高まっている。しかし、新政権の最重要課題である年金制度の改革の行方は議会運営上のハードルが高く、予断を許さない。中長期的なブラジルの行く末を占ううえでも2019年は重要な一年となるだろう。