トビラシステムズ ZUU online Members
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【目次】
①トビラシステムズIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【4/15更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【4/11更新】 ※有料会員限定

会社名
トビラシステムズ株式会社
コード
4441
市場
マザーズ
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
明田 篤 /1980年生
本店所在地
愛知県名古屋市中区錦二丁目5番12号
設立年
2006年
従業員数
43人 (2019/02/28現在)(平均33.1歳、年収497.4万円)
事業内容
モバイル、固定電話およびビジネス向け迷惑情報フィルターシステムの開発および提供など
URL
https://tobila.com/
株主数
4人(目論見書より)
資本金
52,300,000円 (2019/03/22現在)
上場時発行済み株数
3,215,000株(別に潜在株式240,600株)
公開株数
901,600株(公募95,000株、売り出し689,000株、オーバーアロットメント117,600株)
調達資金使途
自社システムインフラの増強、ソフトウエア購買・開発、採用費、研究開発費、事務所移転費
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2019/04/05→2,100~2,400円に決定
ブックビルディング期間:2019/04/09 - 04/15
公開価格決定:2019/04/16→2,400円に決定
申込期間:2019/04/18 - 04/23
払込期日:2019/04/24
上場日:2019/04/25→初値5,420円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:大和証券
引受証券:みずほ証券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:東海東京証券
引受証券:いちよし証券
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:エース証券
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
大株主
明田篤 2,407,800株 71.65%
松下智樹 661,800株 19.69%
後藤敏仁 135,400株 4.03%
結城卓也 25,000株 0.74%
岩井健治 25,000株 0.74%
坂倉翼 25,000株 0.74%
(株)Kips 20,000株 0.60%
藤井智康 15,000株 0.45%
佐々木貴浩 6,000株 0.18%
菊地耕平 3,000株 0.09%
柘植悠孝 3,000株 0.09%
業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
2017/10 単独実績 591 191 192 109
2018/10 単独実績 842 228 222 147
2019/01 単独1Q実績 214 103 102 67
ロックアップ情報
明田篤、松下智樹、後藤敏仁、株式会社Kipsは上場後90日目の平成31年7月23日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
また、結城卓也、坂倉翼、岩井健治は保有する第4回新株予約権についてロックアップ期間中は普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
21億6384万0000円(901,600株×2,400円)
潜在株数(ストックオプション)
240,600株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
トビラシステムズ<4441>は、モバイル及び固定電話向けの迷惑情報フィルタサービスを手掛ける企業である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容
同社はデータベーステクノロジーを活用し、スマートフォンフォンを始めとするデジタルデバイスに対し、利用者が意識することなく脅威から守られるセキュリティ製品・サービスを提供している。

具体的には迷惑電話や詐欺電話を防止する「トビラフォン」を2011年6月に自社開発し、販売を開始した。以降「トビラフォン」の電話番号データベース、迷惑電話番号解析アルゴリズムを活用して、モバイル端末及び固定回線向けのセキュリティアプリやサービスを提供している。また法人向けに「トビラフォン」の機能を強化した「トビラフォンBiz 光回線用」の販売を行う等、迷惑情報フィルタの新たな製品・サービスを展開中である。

同社の迷惑情報フィルタ利用者が行う着信許可・拒否登録、警察等の公的機関による情報提供、自社の調査活動等の、莫大なデータを同社は日々収集・蓄積している。これらのデータをもとに独自の迷惑電話番号抽出技術を用いて、迷惑電話と判別された電話番号について、自動的に着信拒否や警告レベルに応じた「危険」「警告」の表示か適用されるセキュリティシステムを開発した。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

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■提供中のサービス
同社は主に下記の2つのサービスを提供中である。

① モバイル向けフィルタサービス
ソフトバンク、NTTドコモ、KDDIと提携し、各通信キャリアが提供するオプションサービスの1つとして、同社の迷惑情報フィルタアプリを各通信キャリアのアプリという形でエンドユーザーに提供している。

契約者は迷惑情報フィルタアプリをダウンロードすることで、迷惑電話フィルタ機能を利用できる。モバイル端末電話帳等に登録をしていない電話番号であっても、同社のデータベースに蓄積された情報をもとに、公共施設や企業等の名称を自動的に表示する機能の利用が可能となっている。

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② 固定電話向けフィルタサービス
通信回線事業者のオプションパックとして、IP電話向けの迷惑情報フィルタサービスを提供中。利用者は通信回線事業者のオプションパックの利用申し込みをすることで、迷惑情報フィルタサービスの利用が可能となる。

利用者の固定電話に着信があると、着信電話番号が迷惑電話に該当するかどうか、同社データベースに自動的に照会することで判別を行う。迷惑電話と判別された電話番号については、自動的に呼び出し音を鳴らさない仕組みである。

尚、2018年10月期時点では、同社のIP電話向け売上高の全体に占める割合は5%程度である。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

また従来の電話回線向けの製品として、「トビラフォン」の電話機外付け型端末を販売している。自治体等の特殊詐欺被害防止施策の実証実験における、外付け型端末の販売・レンタルも行っている。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■業績推移
2016年10月期 売上高2.8億円、経常利益0.1億円、当期純利益0.2億円
2017年10月期 売上高5.9億円、経常利益1.9億円、当期純利益1.1億円
2018年10月期 売上高8.4億円、経常利益2.2億円、当期純利益1.5億円
2019年10月期(予想) 売上高9.0億円、経常利益3.2億円、当期純利益2.1億円

売上高は10億円以下ながら、着実に増益を重ねており、2018年10月は経常利益2億円の大台に到達した。

2019年10月期も引き続き増益を予想しており、経常利益3億円の突破を予想している。2019年10月期は第1四半期で売上高2.1億円、経常利益1.0億円となり、予想達成に向け順調なスタートを切った。


■財務状況
2018年10月期末時点で資産合計4.7億円に対し、純資産合計2.7億円となっており、自己資本比率は58%である。

借入金0.5億円に対し、現預金2.3億円を有しており、財務上特段の懸念事項はない。尚、自社開発ソフトウェアとして、ソフトウェアを0.5億円資産計上している。


■資金使途
IPOにより4.2億円の資金調達を行う計画である。調達資金は主に下記の使途を予定している。

① サーバ機器及び検証用端末等の設備投資費 1.1億円
② 技術部人員の人材確保のための採用費 0.2億円
③ 新規ソフトウェア開発費 2.0億円
④ 本社オフィス移転にかかる費用 0.2億円

新規ソフトウェア開発や設備投資等、今後の事業拡大のための開発投資に主に調達資金は充当される。


■株主状況
明日社長が筆頭株主として株主シェアの72%を有しており、安定的な株主構成である。

個人株主中心の株主構成であり、銀行やファンド等の株主の参入はない。


■今後の注目ポイント
名古屋市に本社を置く、通信機器向け迷惑情報フィルタシステムの開発会社のIPO案件である。売上10億円に満たない規模ながら、着実に増益を重ねており、今期の経常利益は3億円突破を予定している。

特殊詐欺が社会問題となる中で、同社サービスに対するニーズも拡大しており、同社の業績拡大を牽引している。

モバイル向けサービスは携帯キャリア3社のオプションパックに含まれており、手離れのよいビジネス展開がなされている。また固定電話もKDDIなどのオプションパックに含まれており、今後拡大が期待できる。

ニッチなサービス分野で地位を確立しつつある企業であり、IPO後に調達資金を活用してどのような成長を遂げるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。