成功率が「51%」なら即実行

PDCAはどう回すかも大事ですが、昨今は「いかに高速で回すか」も非常に重要なポイントになっています。PDCAをきちんと回しているもの同士が競争すれば、当然、その回転スピードが速いほうが勝つからです。

日本企業がPDCAを高速で回せない一番の理由は、先ほども述べたように、Plan段階で慎重になり過ぎてDoになかなか進まないことでしょう。

やるか、やらないか、日本企業の経営者は決断が遅いというのも昔から言われていることです。

私は「51:49」で成功する見通しのほうが1でも大きいと判断したら、もっと言うと0.00001でも大きいと判断したら、「やる」と決断します。

経営者の中には、「7割確証が得られたら実行を決断する」という人も多いようですが、私たちはまだベンチャーであり、7割の確証が得られることだけをやっていては、4倍速で急成長することはできないと考えています。

そもそも現代のビジネスでは、多くのことが「50: 50」─フィフティ・フィフティなのではないでしょうか。前例がなく、戦い方もわからず、白か黒かもわからない、未来がわからない状況下で、経営者は判断を迫られます。

そういう中で大切なことは、「とにかくすぐに実行してみる」ということです。そして、走りながら高速でPDCAを回し、「52:48」「53:47」と少しずつ成功率を上げていくようにしています。

もちろん、「51:49」で実行することを決断しても、やってみたら逆に「49:51」「48:52」……と成功率がどんどん下がっていってしまうこともあります。そのときには、早期に撤退する決断をすればいいのです。

そして、こうした「51:49」のギリギリの判断は経営者だけではなく、チームリーダーにとっても大事になります。ビジネスの現場で判断を任されるのはチームリーダーです。チームリーダーがやるかやらないかを決めなければ、メンバーは動き出すことができません。

そして、実行しなければ結果を検証するチェックができません。つまりPDCAが回り出しません。チームリーダーは、「51:49」でも実行し、結果をチェックし、改善し、次の目標や計画を立て、また実行する。4倍速でPDCAを回すことで、「52:48」「53:47」と成功率を上げていくことをめざしましょう。

「大胆な目標」を設定する狙い

4倍速でPDCAを回すことができるようになると、実は大胆な目標を達成することもできるようになります。

私はこれまで、大胆な目標として、「前年比200%」の目標を立ててきました。

あしたのチームも創業以来、売上目標は常に前年比200%に設定してきました。

そして、その前年比200%の目標を達成することで、「年2倍」ペースの成長を続けてきました。これが可能だったのは、四半期サイクルでPDCAを回してきたからです。

PDCA,髙橋恭介
(画像=THE21オンライン)

前年比200%の目標をいつから立てるようになったかと言えば、大学を卒業して入社した興銀リースのときからです。

リース資産残高や新規の受注金額の目標など、会社から与えられた目標はありましたが、私は前年比200%を目標にして、それを達成するためにはどうすればいいかを、当時一スタッフとして考えました。

前職のプリモ・ジャパンのときも、赤字続きであり、黒字までのギャップが大きかったので、売上などを前年比200%にするには何をすればいいかを考え続けました。

あしたのチームでも、「単価を2倍にしたらどうなるか」「何を改善したら集客が2倍になるのか」、そんなことを今もメンバーと議論しています。

この間、前年比200%をいつも達成できたわけではありません。それでも私は「前年比200%」にこだわってきました。

一般的には、前年比105%や110%といった目標を立てるチームリーダーが多いと思います。現実的な目標設定ですが、これでは画期的な改善というのはなかなか生まれないものです。

一方、前年比200%や2倍にすることを考えると、これまでの延長線上のやり方ではできないことがすぐにわかります。その結果、新しいやり方がないか必死に考えることになり、思いついた新しいやり方に挑戦することになります。

こうした中から新しいブレイクスルーが生まれ、それがチームとメンバーを大きく成長させることになる、というのが私の考えなのです。