2019年4月18日(木)Market Talkの内容

●現在、景気後退の局面にあると言われていますが、本当に後退しているのでしょうか、それとも一時的な停滞なのでしょうか?

今はどういう局面かというと景気動向一致指数の動きでみると、2017年末にピークアウトして、そこからずっと下降局面。ただ去年の秋に1回盛り返している。そこが日経平均が10月に27年ぶりの高値をつけたときだ。一時的に景況感は良かったが、そこから中国の景気減速が強まり、11月~1月に急激に落ち込んだ。ただ中国の持ち直しなどで足元の悪化も下げ止まりがみられるので、一時的な停滞とみればよいであろう。またIMFの経済成長見通しも下方修正され、3.3%まで下がったが、景気後退につながるわけではなく、年後半は持ち直し、2020年には再び世界の経済成長率が3.6%に戻るという見通しを示している。今はこのとおりの展開となってきているのではないか。

●10連休中、米国で主要企業の決算発表やFOMCがありますが、米国株が上振れる可能性と下振れる可能性のどちらが大きいと見ていますか。

基本的には上に行くのではないか。足元は減益だが株価は足元の業績を織り込むわけではない。1年先の業績を織り込むわけで、この先はゆるやかながら回復してくるとなると、その業績をこれから織り込みにいく(すでにそれは織り込まれているわけだが)。そして今度決算発表が出るとさらにその先を見に行き、となる。かつ昨年高値を付けたときと違っているのは、金利が随分低い、Fedが利上げをやめるスタンスになっていること‐中央銀行のスタンスが違うということだ。パウエル議長がハト派的になってきた、というのはマーケットが一番安心できるところだろう。そう考えると下に振れるというのは考えにくい。

●米国企業決算のこれまでの評価は

前半戦の金融については評価はまちまち。JPモルガンは好スタートをきったがゴールドマンはだめだった。ゴールドマンがだめだったのはトレーディングだが、トレーディングは水物なのでこれで業績がふるわないというのは仕方ない部分がある。本番はGAFAなどのハイテク株。おそらく良いと思うが(だからこそ先んじて株価が上がっているわけだが)、これらの決算発表に注目していきたい。

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広木 隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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