急騰株から資金シフトも

株式新聞,物色圏外銘柄
(画像=PIXTA)

日経平均株価が連日で年初来高値を更新し、17日の取引時間中には4カ月半ぶりに2万2300円台に乗せた。中国経済の復調期待を背景に、ハイテクセクターを中心に買い人気が高まる展開が続いている。一方、大型連休前後での選別色の変調を予想する向きもある。比較的物色の圏外に置かれている銘柄のマークも重要となることから、ホクシン(7897)、テンアライド(8207)、アドバンテッジリスクマネジメント(=ARM、8769)に注目する。

ホクシン――今期業績反転へ、26週線突破カギ

植物繊維を原料とする中質繊維板(MDF)大手のホクシンは、過去に何度も大相場を演じている。ただ、今回の局面ではまだ値動きに乏しく、2017年秋ごろを起点とする長期の調整トレンドにとどまる。ただ、ここへきてやや出来高が増えるなど、初動の兆しを強めてきた。

業績面では原材料高などが逆風となり、前19年3月期の営業利益(非連結)は前々期からの半減(3億円、前々期比52%減)を見込む。ただ、今期は値上げの浸透に加え、木造建築の工法をめぐる国土交通省の基準にMDFが追加された好影響も想定される。

週足チャートは13週移動平均線と26週線のゴールデンクロスが接近。昨秋以降強力に上値を押さえてきた26週線を株価が突破すれば、相場はスケールアップする公算だ。

テンアライド――既存店売上に回復感、優待利回りも支えに

「天狗」ブランドで居酒屋を展開するテンアライドは、足元で売上に回復感がみられる。外食業界が抱える人手不足や原材料高に悩まされる同社だが、一筋の光明が差してきた格好だ。

同社は昨年11月に前19年3月期の業績計画を大きく下方修正し、通期の連結営業利益は1.3億円(前々期比62%減)にとどまったもよう。第3四半期累計の売上高に占める人件費率は38.6%(前年同期は37.2%)に高まっていた。

ただ、既存店売上高は直近3月まで2カ月連続で前年同月を上回り、業績の安定を取り戻す期待も高まりつつある。これまでの調整の過程で、10連休に伴う売上減の影響は株価に織り込んだとみられる。優待利回り(約4.9%)を支えに株価反発に向かう可能性がある。

ARM――職場環境対策で浮上、75日線を奪回

政府が進める働き方改革を追い風に、アドバンテッジリスクマネジメント(ARM)のメンタルヘルスケアサービスの拡大が期待できそうだ。

職場環境改善を目的に15年12月にストレスチェック制度が義務化されたが、ARMが今年3月に発表したアンケートでは積極的に取り組む企業はまだ3割に満たない。人手不足が最大の課題となる昨今、人材の定着は企業にとって欠かせない。その上でメンタルヘルス対策は重要となり、普及余地はまだまだ大きい。

同社は病気やけがで長期休業を余儀なくされた場合の所得補償保険も手掛け、こちらも労働者の安心に寄与する。採用時にストレス耐性をチェックする仕組みの提供も引き合いを強めそうだ。株価は昨年4月の高値1576円から4割超調整し底打ち。75日移動平均線を上抜き上値指向を強めている。(4月18日株式新聞掲載記事)

>>話題のテーマや注目株を一足早くお届け「株式新聞WEB」限定プレミアム銘柄も

【関連株式ニュース 株式新聞へ】
きょうのストップ高銘柄=19日―10銘柄(気配含まず)
きょうのストップ安銘柄=19日―0銘柄(気配含まず)
<個別株動向>ソニー、ホシデン、ニュートンF、ヤマトHD、リソル=19日後場
19日後場マーケット情報=日経平均は110円44銭高の2万2200円56銭
マザーズ指数反発、ロゼッタなど下落=新興市場・19日