「ワクワクすること」から具体的な目標を決める

フレームワークの「ステップ1」は「目標設定」です。英語を身につけて何がしたいのかを考えて、書き込んでください。

海外出張や英語でのプレゼンが控えている人なら、それを目標にすればいいでしょう。

しかし、そうでなければ、「何をしたいのか」と聞かれても、具体的に思いつかない人も少なくないと思います。このフレームワークを使うようになる前は、私が指導した中にもそういう人が多くいて、仕方なく、「例えば、『会議で意見が言える』とか……」などと例を挙げると、それをそのまま自分の目標にする人もいました。

具体的に思いつかない場合は、「カッコ良くプレゼンをする」のように、達成したときのことを想像するとワクワクすることを目標にするのがいいでしょう。そうすると、モチベーションが高まります。

「信頼される」や「昇進する」など、ワクワクすることが抽象的であれば、「信頼されるためには、会食で気の利いた雑談ができなければならない」「昇進したら、会議で進行役を務めなければならない」というように、具体的なシーンに落とし込んで、目標を立てましょう。

もう一つ、目標設定をするときのポイントがあります。それは、期限を決めることです。

語学は、一定以上のレベルになるまでは一気に勉強したほうが身につきやすいので、期限は6カ月以内、長くても1年以内に設定しましょう。

自分の英語力は自己評価では測れない

「ステップ2」は「現状レベル把握」です。

自分のレベルがどの程度かを聞くと、「全然ダメなんです」と言う人もいれば、「中学英語くらいなら大丈夫です」と言う人もいるのですが、私の経験上、正しくレベルを把握できていないケースが多いです。

長く使っていないから自信がないという人でも、大学受験で勉強したときの知識が残っていたり、仕事でよく使っていても、基礎ができていないので文法が間違いだらけだったり、という人は少なくありません。仕事で使えていればいいと思うかもしれませんが、正しい英語でなければ、大切な案件を任せてもらうことはできないでしょう。

仕事中に「君の英語は間違っている」と指摘してくれる人は、日本人よりフランクな外国人であっても、ほとんどいません。

基礎がどの程度できているかを客観的に把握するためには、TOEICのホームページに掲載されているサンプル問題を解いてみたり、英検2級の過去問を解いてみたりするのがいいと思います。公立高校の入試問題を解くという方法もあります。

文法はいずれにせよ必要ですが、「Eメールでやり取りができる」という目標を立てたならライティングとリーディング、「プレゼンをする」という目標を立てたならスピーキングとリスニング、というように、目標に合った能力について、勉強の優先順位を把握しましょう。