2019年6月6日(木)Market Talkの内容

●NYダウも日経平均も長期のテクニカル的には下げトレンドになっていますが、やはり戻り売りに押されそうですか?今後の展開を教えて下さい。

FRBの利下げ期待がにわかに高まってきているが、これは錯乱要因で注意しなければいけないとは思う。しかし結局これがある限りは崩れないということだとも考えられる。だとすると売り方も腰の入った売りはできなくて、結局株価が下がってくると金融緩和なんだ、ということになってくる。そうなるとダウンサイドよりはアップサイドの方が可能性が高いだろう。悪い方に振り切れればそこから揺り戻す動きも当然出てくる。ここのところ米中貿易戦争、世界経済の減速といった悪い話ばかりであったが、ここからは政策対応で、金融政策にしても緩和論だとか、米中貿易戦争も落としどころを探りに行くといった動きが出てくる。当面は上値は重いだろうが、年後半の景気回復シナリオは崩れていないと思う。ダウンサイドのリスクの方が少ないのではないか。

●現在の指標で米国は利下げ出来るか?また消費税増税は株式に悪材料か?逆に増税したほうがいいのか?

米国の利下げについては、この指標でできるかといったら今すぐは無理だろう。マーケットは少し先走りしすぎていると思う。実際に悪化するものが出てこないと ‐ 今週末の雇用統計はADPが下振れたので要注意ではあるが、1回下振れるだけでは判断できない。恒常的に悪いデータがずっと続いてそれで初めて、ということになるだろう。

消費増税はここまできてやらないという選択肢は無いのではないか。日本の景気がよっぽど悪化していれば話は別だったわけだが、ぎりぎりのところで下げ止まっているので増税延期の口実もあまりなくなっているのが事実だろう。増税をすれば当然景気は悪くなるが、今回はその落ち込み方が軽いだろうと思われていて、それほど駆け込みの動きも強くなくその反動減も強くない、また軽減税率が導入される、ポイント還元も実施されるということを考えると前回ほどの落ち込みはないのではないか。

●年内にNYダウ23,000ドル、ドル円100円、日経平均株価19,000円という見通しはいかがでしょうか?

何かショックが起きて下振れた場合はそのような値になってもおかしくはないだろう。ただし短期的にはつけても長く留まるとかさらに下がるということはないのではないか。

●このところまた外国人の売り越しが続いていますが、外国人が買い越しに転じることは当面なさそうですか。

一時の大幅売り越しに比べれば額は減っている。4月に買い越した分5月になって環境が悪化して売っているが、落ち着けばまた買いに転じてくるだろう。

詳細は動画をご覧ください。

Market Talkオンデマンドを視聴する

広木 隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

【関連リンク マネックス証券より】
先月14日に決算を発表した銘柄で目標株価の引き上げがみられる銘柄は
2019年5月米国雇用統計プレビュー
GRI(グローバル・リスク・インデックス)点灯 ポジションはドルに一極集中
日本株の評価が低迷している要因/米金利低下の背景
センチメントは暗いが、すべて悪いわけではない