Q 初心者はまず、何から始めるべきですか?
A まずは本やセミナーで勉強しよう
初心者がまずすべきことは、なんといっても勉強して最低限の知識を得ることです。不動産投資は事前の学びで勝敗が決まると言っても過言ではないでしょう。と言っても難しく考える必要はなく、本やセミナーで十分。不動産投資に関する書籍は数多く出版されているので、始める前に数冊は読んでおくことをお勧めします。
セミナーや講演会にも、基本を学ぶためにも積極的に参加してみましょう。不動産業者主催のセミナーも得るものがありますし、最近は大家さんが主催するセミナーも増えています。無料、あるいは数千円程度のセミナーから、数十万円かかる学校まであり、価格帯は様々。年収や事情によって支払える金額は異なるでしょう。投資前にできるだけコストをかけたくないという人や、もしくは予算を捻出できない場合は、まずは無料のセミナーに参加してみてください。
僕が始める前に感じたことは、「損して得取れ」精神は決して無駄にはならないということです。勉強のために身銭を切ることで、「絶対に成功して回収しなくては!」というマインドが、より強固になるからです。セミナーへ足を運ぶことで、同様に不動産投資を始めようとしている仲間との出会いにもつながります。個別面談を受け付けてくれる大家さんもいます。具体的な質問や相談ができるので、面談に投資することも1つの手です。
Q 業者や物件を選びなど、始めるうえでの注意点を教えてください
A まずは目標を定め、年間1.8%キャッシュフローを残すことを目指そう
動き出す前にまず、不動産投資における目標を設定しましょう。半年や一年単位で必ず実行したい目標と、できれば人生全般の目標も一緒に紙に書き出し、毎日眺めるようにしましょう。
目標を設定したら、複数の業者に会って提案を受けてみてください。最初から1社に絞るよりは、複数社と会ったほうが勉強になりますし、繰り返し複数業者から提案されることで、自身の選定能力も高めることができます。業者を決める際に参考にしていただきたいのは、レスポンスの早さ。不動産業界は情報戦なので、レスポンスの早さが命。返信が遅くて優良な業者はほぼないと言っても過言ではありません。
狙っているエリア内で人気の間取りは、地元の管理会社に問い合わせれば教えてもらえますし、ライバル物件の家賃は、ネットでリサーチできます。こうしたひと手間を惜しまないようにしましょう。
キャッシュフローの最初の目安は、「年間1・8%」。たとえば1億円の物件を購入したら、満室想定で年間、金融機関への返済や管理会社へ払う外注費用、税金などを差し引いた後に180万円が純粋に手元に残る、という状態を目指します。
Q 不動産会社とはどのようにやり取りすれば良いですか?
A 「お客さん意識」をやめ、パートナー目線を持とう
不動産投資は普通の買い物とは違い、買って終わりではなく購入してから収益を上げていかねばなりません。そのためには、業者に対して「お客さん意識」でいる人よりも、「自分もオーナーとして成功したいけれど、御社にも儲かってもらえれば嬉しいと思っているので、一緒にWin-Winになりましょう」という、「パートナー目線」で取り組む人のほうが成功しやすいと言えます。
自分が住む部屋を決めるのは入居者ですが、物件を紹介するのは管理会社や賃貸仲介業者。彼らに頑張ってもらって内見の数を増やし、成約率を高めることは、不動産投資業務の一つなのです。
不動産の営業マンはお客さんを案内するとき、物件をそれぞれ「当て物件(最初に見せる残念な物件)」「中物件(当て物件よりはランクが高いけれどイマイチな物件)」「決め物件」という位置づけをします。自身の物件を成約の可能性が高まる「決め物件」として推してもらうためには、日頃の接し方が功を奏すると僕は思います。特に物件を購入した当初や、空室が出たタイミングなどには、自ら出向くのも有効な手段。「家賃交渉があったら言ってください」「つけたほうがいい設備があれば教えてください」など、融通の利く大家である感じを出せば、入居者を紹介してもらいやすくなります。