2019年6月13日(木)Market Talkの内容
●FRBの政策をどう考えるか ‐ 今は非常に重要な局面
・FRBの役割が変質-株式本位制になった。マーケットを守るためにFedはなんでもやる。
・マーケットでは利下げ期待が先行。FF金利先物は年2回以上の利下げを織り込む動き。
・ISM非製造業景況指数は高水準で推移。5月の失業率は半世紀ぶりの低水準、労働市場は完全にタイトで雇用を伸ばしたくても伸ばせない状況。ベージュブック(地区連銀経済報告)も米景気はゆるやかに拡大している、貿易戦争の懸念はあるが影響は見られないと報告している。景気が悪くなっている兆候は見られない。
・マーケットがこれだけ利下げに傾いている中で利下げを行わなかったら大変なことになるのではないか。失望、混乱でもう1回利下げを催促する恰好になってしまうのではないか。
・逆にFedがマーケットの空気を読んで景気が悪くないのに利下げしてしまう場合はバブルとなる。今は非常に重要な局面にきている。
●7月FOMCの利下げをほぼ織り込んだ上昇相場も一服していますが、利下げがなかった場合の反動安やドル円の下落はどの程度と予想されますか?
ダウ平均で500~600ドル安ぐらいは売られるのではないか。為替は瞬間的に乱高下はするだろうがあまり動かないと思う。これだけ利下げ確率が高まっているのに現在ドル安円高になっていない。もう利下げは織り込まれてしまっているのではないか。米国株の大幅安は「円高にならない」という分で吸収、日本株は位置が低いだけに下値は限られているので、日本株はあまり下がらないだろう。
●これから上がりそうなカテゴリーは?
世界景気は年後半回復してくるという蓋然性が高いと思うので、今景気見通しが悪い中で売り込まれているシクリカルな景気敏感株 ‐ 機械や半導体、電子部品などが有効ではないか。
詳細は動画をご覧ください。
広木 隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
【関連リンク マネックス証券より】
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