「モバイルオーダー&ペイ」という新しい注文・決済システムが関心を集めている。スマートフォンなどモバイル端末を使い、店舗でスムーズに商品を受け取ることができる仕組みで、店側にとっても人件費などのコスト圧縮につながる。直近ではスターバックスが採用して話題を集めるなど、浸透が進んでいる。本命格の東芝テック(6588)をはじめ関連株に注目したい。
6月下旬にスターバックスコーヒージャパンが導入したモバイルオーダー&ペイは、事前にスマホで商品を注文し、プリペイド式のスターバックスカードで決済。商品が出来上がるタイミングで受け取りに行く。待ち時間がなく、実際に利用してみると極めて利便性が高いことが分かる。
日本マクドナルドホールディングス(2702・JQ)も4月から静岡県で同様のサービスを始め、全国展開を計画している。店側では接客時間を大幅に短縮できるため、人件費の削減や人手不足対策にも有効だ。また、アプリを多言語化することで、外国人も使いやすくなる。
今年10月に予定されている消費増税では、テイクアウトする飲食料品が軽減税率の対象になる。キャッシュレス化の波にも乗り、モバイルオーダー&ペイシステムは一気に普及する可能性がある。
同システムについては、日本ではショーケース・ギグ(東京都港区)が早くからモバイルオーダーアプリを手掛けており、プレナス(9945)やJ.フロント リテイリング(3086)の大丸松坂屋百貨店などで採用されている。
また、ソフトバンクグループ(9984)の「ペッパー」などAI(人工知能)アプリの開発で知られるヘッドウォータース(東京都新宿区)も同システムを構築する。電子マネーをはじめ多くの決済方法に対応しているほか、音声による注文サービスにも乗り出している。商品管理やレジ回りも含めた外食店のトータルシステムとしても、利用が広がりそうだ。
関連株としてはまず、昨年2月にショーケース・ギグと提携した東芝テックが浮上する。飲食店のほかにも、スーパーマーケットの総菜売り場などで、端末から予約注文するサービスを展開。ラベルプリンターと連携することで商品管理の精度を高め、廃棄ロスを削減することができる。
また、ショーケース・ギグは昨年12月にJR九州(9142)との提携も発表している。既にJR九州の公式スマホアプリを開発しているが、今後は乗車券予約などへの応用や、モバイルオーダー&ペイシステムのJR九州グループの外食店への導入も見込まれる。
一方、ヘッドウォータースは大規模な資金調達を伴うシステム開発投資を続けており、今後の株式上場も期待される。同社に出資しているのは航空券予約サイトのエボラブルアジア(=エボラブルA、6191)や、チェンジ(3962)、IBJ(6071)、ベクトル(6058)、オークファン(3674・M)など。(7月5日株式新聞掲載記事)
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