受け身ではいい仕事は回ってこない
一方で、多国籍、多人種、育った文化やバックグラウンドの異なる人材の集まるグローバルな環境では、自己主張の強い同僚も多く、前述の考え方だけに固執していると、自分の力を最大限に発揮できる仕事が回ってこない可能性が多々あります。
私たちには能力もやる気もあり、置かれた場所で最大限のパフォーマンスを発揮することもできるのに、戦う場を与えられないのは、実にもったいないことです。
せっかくですから、与えられた場所、命じられた役割で努力するだけでなく、自分からやりたい仕事にアサインされるよう、積極的に働きかける姿勢も身につけるべきでしょう。
自分で働きかけて自らキャリアをデザインしていく思考と行動力は、必須と言っても良いでしょう。
マッキンゼーでは皆、積極的に「自分を売り込む」
では、グローバルな環境で働く人々は、この「働きかけ」を具体的にどのように実践しているのでしょうか。
ここでは、マッキンゼー時代に同僚や自分自身が実践していたいくつかの方法を紹介しましょう。といっても、難しいことではありません。誰にでも真似できる、ちょっとしたことばかりです。
マッキンゼーでは3ヶ月単位でプロジェクトが回っていくことが多く、プロジェクトの終盤には次のプロジェクトの情報が耳に入ってくるようになります。
このとき、クライアントとのパイプ役を務めるプロジェクトリーダーたちに事前アピールをすることが、マッキンゼーではよく見られる光景でした。皆、希望のプロジェクトに入れるよう積極的に自分を売り込むのです。
次のプロジェクトの責任者は、プロジェクトが正式スタートする前から考えを巡らせています。どんなチームが最善か、そのためには誰に入ってもらうのがいいのか。プロジェクトが成功するよう、前々からスタッフ構成を考えています。今のプロジェクトが終わってから一から考えていては時間が足りないからです。