賃貸物件の空室を改善する特効薬はリノベーションですが、コストがかかります。しかし塩漬けのままでは状況は変わりません。まずは、ここで紹介する5つの改善策を試してはいかがでしょう。

空室の主な原因は「エリア環境の悪化」または「物件の魅力低下」

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(画像=mmatsu/Shutterstock.com)

空室だらけの賃貸物件を改善するには、まず空室の原因を明らかにすべきでしょう。主な空室の原因としては「エリア環境の悪化」と「物件の魅力低下」が考えられます。このうちどちらが原因かによって、その後の選択は変わってくるでしょう。空室の原因を見極めるには、競合物件の空室状況をリサーチするのが早いです。競合物件に空室が目立つなら「エリア環境の悪化」が疑われます。

逆に競合物件の空室が少ないなら「物件の魅力低下」の可能性も否めません。ちなみに競合物件の空室状況を把握するためのポイントは次の通りです。

  • 窓にカーテンがない部屋が目立つ
  • 郵便受けをふさいでいる部屋が多い
  • 入居者募集の看板がある など

あわせて徒歩圏内の施設の状況も重要です。スーパーやコンビニ、金融機関といった地域と密着した施設の撤退が目立つエリアは人口が急減していることも少なくありません。そのため「エリア環境の悪化」が進んでいる可能性が高いです。

空室の原因が「エリア環境の悪化」の場合の選択

空室の原因が「エリア環境の悪化」のケースでは、「用途変更」または「売却」の解決方法が考えられます。このうち「用途変更」は、賃貸物件のままだと厳しいものの、違う用途(例:高齢者向け施設やトランクルームなど)ならニーズがあるようなケースです。まずは専門業者に相談してみましょう。一方、「売却」を選ぶなら、急ぎながらも慎重に進めることが大切です。

エリア環境が悪化していると、所有するほど取引価格が下がっていくのが一般的です。しかし処分を急ぎすぎて割安で処分すると、本来得られたはずの利益を逃がします。そのエリアに強い仲介会社の意見を参考に、適正な値付けをするべきでしょう。

空室の原因が「物件の魅力低下」の場合における5つの改善策

「物件の魅力低下」で空室だらけになっているケースでは、適切なテコ入れで改善する可能性があります。最も確実な方法はリノベーションですが、大きな費用がかかります。まずは次に紹介する5つの改善策を試してみて「他に手がない!」というときに行うのが賢明です。

改善策1:家賃の再設定

過去の家賃相場にとらわれず、思い切って設定を下げるのも一案です。人口減少エリアでは、短期間のうちに家賃相場が急落しているケースもあります。現時点の家賃相場を調べて、それよりもやや低めに設定すると入居者決定力が高まるでしょう。一気に家賃を下げるのに抵抗がある場合、一定期間ごとに徐々に家賃を減らしながら募集する方法も考えられます。

改善策2:入居者に人気の住宅設備

空室対策に貢献しそうな住宅設備の一例としては、「テレビドアホン」「無料Wi-Fi」「室内物干し」「宅配ボックス」などです。費用はかかりますが、リノベーションに比べれば小さな負担で済みます。

改善策3:駐車スペースをつくる(増やす)

郊外の賃貸物件は、駐車スペース不足が原因で空室になっていることも少なくありません。「駐車スペースあり物件」でPRした途端、入居者が決まるケースもあります。しかし新たに土地を購入するのは負担が大きいため、まずは近隣の月極駐車場と契約して確保することも方法の一つです。

改善策4:管理会社の変更

やる気のない管理会社から、入居者決定力のある管理会社に変えるだけで状況が好転することもあります。力の差がでやすいのは、「物件情報の発信力」「問い合わせ時のコミュニケーション」「内見時のセールストーク」などです。

改善策5:あらゆるPR方法を試す

さまざまなPRを試してみることも重要です。例えば以下のような内容を試してみましょう。

・入居者募集の看板を目立つデザインにする
・地域のフリーペーパーに出稿する
・近隣の集合住宅にチラシを配る
・SNSで情報発信するなど

空室だらけの物件改善はオーナー主導が大切

どの改善策を試す場合でも、「管理会社任せ」のスタンスはおすすめできません。なぜなら管理会社は空室だらけの物件に時間をかけても利益が上がらず、本腰を入れてもらえるか不確定要素となるからです。そのため管理会社に協力してもらいつつも、オーナー主導で改善を進めることが大切といえます。(提供:YANUSY

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