世界的コンサルタントは、休日をどう使っているのか?

有給休暇,大前研一
(画像=THE21オンラインより)

経営コンサルタントといえばハードワーカーというイメージがあるが、マッキンゼーなどで活躍した世界的コンサルタント・大前研一氏は30代の頃から計画的に長期休暇を取り、数多くある趣味を楽しんでいる。ビジネスパーソンが休みを取る意義とは?

諸外国に比べて休み方が下手な日本人

安倍政権が成立させた働き方改革関連法がこの4月より順次施行されており、そこには残業時間の罰則付き上限規制や年5日間の有給取得(消化)の義務化などが含まれている。しかし、いきなり「労働時間を減らせ」「もっと休め」と言われても、いったい、どうすればいいのだろう。

「確かに、日本人は休み方が下手だ。例えば夏休み。米国人のホワイトカラーは、6月から9月中旬までの好きな時期に、1週間単位で休暇を取って家族でバケーションに出かける。勤勉と言われているドイツ人も、部課長クラスになるとイタリア辺りに一軒家を借りて、そこで優に1カ月間は家族と過ごす。一方、家を貸したイタリア人は、その間、スペインで家を借りて、家賃の差額で暮らす。スペイン人はモロッコやポルトガルに移動して、やはり同じように、夏の間、バケーションを楽しむのだ。

中国、台湾、香港、シンガポールなどでも、休みの取り方は欧米化しつつある。しかも彼らの中の富裕層は、滞在先に1泊15万円以上する高級リゾートホテルを選ぶなど、旅先では実に気前が良い。

これに対し日本人は、家族旅行といっても、いまだに1泊2日がせいぜいだ。それも、ゴールデンウィーク、年末年始、お盆に皆が集中して休むので、その時期は道路も観光地も大混雑し、とてもリフレッシュどころではない。

だからといって、休み方にまで国が口を出すのは、私に言わせれば余計なお世話だ。どういう休み方をするかは、本来、個人がライフプランに応じて、自由にデザインするものなのである。例えば、有給休暇が15日認められているのなら、それを目いっぱい使い、さらに10日、無給の休みを取る。そうすれば、日本人だって欧米人のようなバケーションが可能なのだ」