ターゲットは全米で1800を超える店舗を運営するディスカウントチェーン大手である。米中貿易戦争や景気減速懸念がくすぶる中、7月の米小売売上高は前年同月比3.4%増と2ヵ月連続の伸びを示すなど好調に推移している。ターゲットは、こうした米小売りの好調を象徴する企業の一つである。
とはいえ、米小売業界全体がバラ色というわけではない。メーシーズやコールズといった百貨店は業績の低迷が続いており、勝ち組と負け組で明暗を分けているのが実情である。そこで今回はターゲットが米小売業界で「勝ち組」になれた理由についてリポートしたい。
ターゲット、予想を上回る好決算
8月21日、ターゲットが発表した今年5~7月期決算は売上、利益ともに市場予想を上回った。同期の売上高は3.6%増の184億2000万ドルで、ファクトセットのコンセンサス予想(182億9000万ドル)を上回った。Webサイトでの販売が34%増と大幅に増加したほか、既存店売上高も3.4%増と市場予想の3.0%増を上回り、来店者数も2.4%増加している。
同じく純利益は9億3800万ドル(約994億円、前年同期は7億9900万ドル)、1株利益は1.82ドル(同1.49ドル)だった。1株利益はファクトセットがまとめたコンセンサス予想の1.62ドルを大きく上回る結果となった。
ターゲットは8~10月期も既存店売上高で3.4%増を維持する見通しを示したほか、2020年1月期の調整後1株利益見通しについても従来の5.75~6.05ドルから5.90~6.20ドルと0.15ドル引き上げている。
予想を上回る好決算と今後の見通しを受けて、8月21日の米株式市場でターゲット株は20%を超える上昇となった。8月30日の終値は107.04ドルで、年初の66.44ドルからの上昇率は66.1%に達している。