木材活用・水素電池など関心

環境対策銘柄
(画像=PIXTA)

気候変動対策の具体策を表明する国連の「気候行動サミット」において、16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんによる二酸化炭素削減に向けた訴えが世界的な関心を集めている。日本でも若手政治家の小泉進次郎氏が環境大臣に就任するなど、投資テーマとして浮上した環境対策の有力3銘柄を狙いたい。

ホクシン――スターウッド脚光、高値抜き騰勢増す

地球温暖化につながる大気中の二酸化炭素濃度を低下させるためには、光合成を行う森林が欠かせない。世界全体の森林が持つ炭素吸収量は、化石燃料の燃焼による炭素排出量の10~20%に達するとされる。日本では森林の比率が高く、その重要性は大きい。

森林資源を持続し育てるカギは、木材の有効活用だ。政府も林業の活性化を促し、森林の荒廃と土砂災害を防ぐ構え。ホクシン(7897)は木質繊維を使ったファイバーボード「スターウッド」を展開する。

スターウッドは耐久性と強度に優れ、加工もしやすい。合板は丸太を原材料として使い、資源を有効活用できないという弱点があり、ファイバーボードの生産は拡大している。家具や床材のほか、強度を生かして壁材などにも使用されるようになっている。

株価は5月末を底に上昇に転じ、足元で騰勢を強めつつある。7月の高値170円を突破し、相場のスケールアップが見込まれる。

山王――水素濾過技術光る、 今期営業黒字へ

環境に優しい次世代エネルギーとして、水素に着目する動きが世界的に広がっている。中国では、水素燃料電池の出荷量が1~7月で前年同期比7倍超に急拡大した。日本も25日に「水素閣僚会議2019」を開催し、燃料電池車の普及を後押しする。

水素の水蒸気や電気分解による製造法が一般的だが、近年ではより効率的に純度の高い気体を精製する金属を使った濾過(ろか)が注目を集める。中でも、山王(3441・JQ)は国立研究開発法人・産業技術総合研究所と共同で高強度の水素精製用のパラジウム銅合金を簡単に製膜する技術を開発した。従来の手法と比べて工程を大幅に簡略化し、低コストを実現した。

山王は前7月期にスマートフォン関連需要の低迷などで苦しみ、連結営業損益が3.4億円の赤字に落ち込んだ。しかし、今期は生産拠点の再編で0.1億円の営業黒字に浮上する見通し。安値圏でのもみ合いが続いた株価も、足元では底打ち感を強めつつある。

ウエストHD――「SDGs」有力格、太陽光需要掘り起こし

持続可能な開発目標を意味する「SDGs」。近年クローズアップされているこのキーワードは、小泉環境相も重視する。24日には米ニューヨークの国連本部でSDGsに関する初の首脳級会合も開幕した。

太陽光発電工事のウエストホールディングス(1407・JQ)は、地域の金融機関20行と組み、中小中堅企業に対して再生可能エネルギーや省エネルギーサービスを提供するSDGs推進プロジェクトを始動した。ファイナンスを付けることで、自家消費型の太陽光発電システムの潜在需要を掘り起こす。

前2019年8月期本決算は10月11日の予定。前期第3四半期累計の連結営業利益は前年同期比86%増の31億円と好調だった(通期計画は57億円、前々期比15%増)。政府の再生可能エネルギー拡大の方針にも乗り、今期も収益成長が期待される。株価は下値を切り上げる動きが続きそうだ。(9月26日株式新聞掲載記事)

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