(本記事は、近藤珠實氏の著書『伝わる!電話、メール、ビジネス文書の仕事活用術』の中から一部を抜粋・編集しています)

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(画像=PIXTA)

長い文章はわかりづらい

わかりやすい文章を書くためには、簡潔な表現をしなければいけません。しかし、多くの文章は、回りくどく、わかりづらくなっています。

分かりづらい文章の多くは、長い文章です。文章の要点がどこにあるかわかりづらく、頭に入ってこないのです。

逆に、簡潔な文章を書くポイントは、文章を短くすることです。

「AはBである」「BはCである」というふうに、「主語+述語」のみで構成される文章は、誰にでも理解できるものになります。

しかし、「AはBだが、BはCでもあり……」と長くなると、とたんにわかりづらくなります。

もちろん、長くてもわかりやすい文章を書くことは、可能です。しかし、作文技術が必要です。まずは、短く、誰にでも理解できる文章を書くことを心掛けてください。

とはいえ、心に思い浮かんだ文章はどうしても長くなってしまう……という人も多いでしょう。

そんな場合は、長い文章を短い文章の集まりに分解してみましょう。

「わが社と長い付き合いがある東京都のA社は納期の短さに定評があるが、A社製品は品質に問題があるという情報もあり、やや納期が長いが高品質を売りにしているB社との比較においては、納期の設定如何では、パートナーシップの維持は難しいという結論に至らざるを得ない」

この文章がわかりづらいのは長いためですが、次のように分解できます。

「わが社とA社は長い付き合いがある」「A社は納期の短さに定評がある」「A社製品は品質に問題があるという情報がある」「B社はやや納期が長いが品質が高い」「納期によってはA社とのパートナーシップは維持できないかもしれない」。いずれも、理解しやすい短い文章です。

長文を、短い文章に分解することは、わかりやすい文章を書くための基本です

文章を分解する
思い浮かんだことを文章にする
まずは思い浮かんだことを文章にしてみる。長い文章になるはずだ。
短い文章の作り方
わが社と長い付き合いがある東京都のA社は納期の短さに定評があるが、A社製品は品質に問題があるという情報もあり、やや納期が長いが高品質を売りにしているB社との比較においては、納期の設定如何では、パートナーシップの維持は難しいという結論に至らざるを得ない。

文章を分解する
短い文章に分解する
長い文章を、複数の短い文章に分解する。
短い文章の作り方
●東京都のA社はわが社と長い付き合いがある
●A社製品は品質に問題があるという情報がある
●B社はやや納期が長いが品質が高い
●A社とB社を比較する
●A社とのパートナーシップの維持は難しいかもしれない

文章を分解する
再構成する
複数の短い文章を、並べ替えたり、接続詞でつないだりして文章を読みやすく再構成する。
短い文章の作り方
A社とB社を比較する。東京都のA社はわが社と長い付き合いがあるが製品の品質に問題があるという情報がある。一方のB社はやや納期が長いが品質が高い。したがって、A社とのパートナーシップの維持は難しいかもしれない。

point

  • 一文が長いと、頭に入りにくい
  • 主語+述語のみで伝える
  • 長い文章は短い文章に分解する
伝わる!電話、メール、ビジネス文書の仕事活用術
近藤珠實(こんどうたまみ)
現代の社会生活にマッチした作法を提唱するマナーのエキスパート。東京神田生まれ。1975年、「現代作法研究会」を発足。
1977年、作法をより現代的にマッチしたものとするため、指導を受けていた國學院大學名誉教授の命名により、新作法「清紫会」を結成。同時に「清紫会」新・作法学院を開設し学院長に就任。以後、生徒を指導するかたわら、執筆、テレビ、講演、社員教育、学校教育等幅広く活動している。
プライベートでも仕事でもスグに役立つ、「日常マナー」のほか「ビジネスマナー」の人気講師として講座を定期開催。

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