リスクについてどのように感じるかは、人それぞれ異なる。自分に備わったリスク・パーソナリティ(Risk Personality)を把握することは、適切な投資戦略を立てるための第一歩だ。

リスク・パーソナリティとは?

Ridkous Mykhailo / shutterstock.com, ZUU online
(画像=Ridkous Mykhailo / shutterstock.com, ZUU online)

「投資に向いている・いない性格」という表現をよく聞くが、本当に性格が投資の成功・不成功に影響するのだろうか。答えはノーだ。 投資で思うような利益を出せないのは、性格ではなく、「自分の性格に合った投資戦略を立てていないこと」が原因である可能性が高い。

それでは、どのようにして、自分の性格に合った投資戦略を見極めるのか。ここで役立つのが、「リスク・パーソナリティ」だ。リスク・パーソナリティとは、簡単にいうと、リスクに対する自分の許容レベルのことを指す。

「子どもの頃は怖いモノ知らずだったが、大人になるにつれ臆病な気質に変わった」という人も少なくないだろう。これは、本来生まれもった性質が、経験や環境といった外的要因に影響を受け、現在のパーソナリティを作りだした結果である。

そもそも、子どもと大人では、リスクに対する警戒心が根本的に違う。責任ある大人として、自分自身だけではなく、自分の決断により影響を受ける人々や現在の状況、将来の見通しなど、様々な外的要因を考慮する必要があるためだ。経済的なリスクに関しては、なおさら慎重にならざるを得ない。

リスク・パーソナリティは一生涯変わらない?

しかし、バーゼル大学が2017年に発表した研究結果は、リスク・パーソナリティが性格的特性に基づくものであることを示唆している。つまり、リスク判断は外的要因により変化することがあるが、リスクの許容レベルは状況や成長により変化するものではなく、不変的だというのだ。

例えば、若い頃にバンジージャンプが大好きだった人は、70歳になった時、さすがにバンジージャンプはやめているかもしれないが、バイクやダイビングなど、同じ世代が危険とみなす活動に興味を示す傾向があることが、研究の結果から明らかになっている。

バンジージャンプをやめた理由は、体力的なものであったり、周囲からの反対であったり、様々な外的要因によるものだろう。しかし、「スリルを味わいたい」という気持ちは、いくつになっても変わらないのである。

どのような状況・リスクに対応する場合でも、常にリスク・パーソナリティが根底にあることを意識することで、より適切な判断が下せる。

4つのリスク・パーソナリティ

「自分のリスク・パーソナリティが分からない」という人は、心理学にヒントを得るのも一案だ。

ここでは、ユングの心理学的類型論に基づいて開発された、「MBTI」という自己理解メソッドを用い、投資の観点からリスク・パーソナリティを大きく4つにカテゴライズしてみた。