ポートフォリオを多様化させ、ROI(投資利益率)を最大化するために、「リモート・インベストメント(Remote Investment)」に積極的な投資家が増えている。

遠隔から投資を行うメリット、デメリットを理解し、リスクを最小限に抑えることが、明暗をわけるのではないだろうか。

リモート・インベストメントとは?

nmedia / shutterstock.com, ZUU online
(画像=nmedia / shutterstock.com, ZUU online)

「遠隔からの投資」を意味するリモート・インベストメントは、テクノロジーを利用することにより投資エリアを拡大するという、シンプルな不動産投資戦略である。

従来の不動産投資は、物件探しから購入、管理、経営に至るまで、「自分の目の届く範囲」で行うといった、いわばローカライズされた投資法が主流だった。

しかし、近年は、インターネットやアプリを利用し、海外の不動産情報や市場動向をリアルタイムで収集できるようになり、グローバルな取引や管理に対応する仲介業者や管理会社も増えている。

こうした潮流にともない、ひと昔前はハードルの高かった海外の不動産投資が比較的容易に実現する、リモート・インベストメント環境が整備されつつある。その気になれば、海外不動産の専門家でなくても、「日本に住みながらオーストラリアの不動産を購入し、管理あるいは売却する」ことも可能な時代だ。

投資エリアを固めるメリットとデメリット

自宅や会社があるなど、土地勘のあるエリアでの不動産投資は、「物件の選定で失敗するリスクが低い」「リアルタイムなローカル情報を入手できる」「地元の管理会社やリフォーム会社と意思疎通を図りやすい」「信用金庫から融資を受けやすい」「入居者の立場に立った管理経営が行いやすい」など、様々なメリットがある。

しかし、特に同じエリア内に複数の不動産を所有している場合、時間の経過とともに、ポートフォリオに偏りが生じるというリスクが潜んでいる。 例えば、自分の投資エリアで、不動産価格の下落や賃貸需要の低下、災害などが発生した際、すべての保有不動産が打撃を受けることになる。

リモート・インベストメントが注目されている理由

「すべての卵を一つのバスケットに入れるな」という分散投資の哲学がある。リモート・インベストメントによって、投資エリアの拡大およびポートフォリオの多様化を図ることでROIの最大化やリスク・ミティゲーション(緩和)が期待できる。