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【目次】
①️AI inside IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/11更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【12/9更新】 ※有料会員限定

会社名
AI inside株式会社
コード
4488
市場
マザーズ
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長CEO 渡久地 択 /1984年生
会社住所
東京都渋谷区渋谷3-8-12
設立年
2015年
社員数
57人(2019年10月31日現在)
事業内容
AI 技術を用いたOCRサービス「DX Suite」の提供等
URL
https://inside.ai/
資本金
465,200,000円 (2019年11月21日現在)
上場時発行済み株数
3,540,000株
公開株数
500,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2019/12/05→3,000~3,600円に決定
ブックビルディング期間:2019/12/09 - 12/13
公開価格決定:2019/12/16→3,600円に決定
申込期間:2019/12/17 - 12/20
上場日:2019/12/25→初値12,600円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:野村證券
引受証券:大和証券
引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:いちよし証券
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
大株主
渡久地択 56.77%
アクサ生命保険(株) 7.10%
UTEC4号投資事業有限責任組合 6.27%
(株)レオパレス21 5.68%
中沖勝明 4.20%
日本郵政キャピタル(株) 4.17%
大日本印刷(株) 2.84%
名井将元 2.78%
レカム(株) 1.65%
第一生命保険(株) 1.42%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/03 単体実績 
41,553 -140,645 -140,935 104,209
2018/03 単体実績 
279,435 -311,479 -340,533 313,875
2019/03 単体実績 
445,264 -182,914 -183,865 605,210
2019/09 第2四半期単体実績 
613,894 176,739 175,594 780,804
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2020年3月23日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
18億円(500,000株×3,600円)
潜在株数(ストックオプション)
389,900株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
AI inside株式会社<4488>は、AI技術を用いたOCR(文字認識)アプリケーションなどを提供するベンチャー企業である。

2015年8月に設立され設立4年4ヶ月でのIPOが予定されている。


■事業内容詳細
同社はコンピュータが自動的に文字画像データを学習しルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発した。本AIを日々の業務で誰でも使える、AI-OCR(文字認識)サービス「DX Suite」として企業向けに提供している。

サービスの提供方式として、クラウドコンピューティングによる提供に加え、クラウドにアクセスすることなくユーザーの元でAI処理を行うエッジコンピューター用ハードウェア「AI inside Cube」も開発製造し提供している。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


●「DX Suite」について
同社の文字認識AIは、人がルールを設計しそのルールをプログラミングすることで開発される従来の文字認識技術とは全く異なる存在である。

同社開発AIが搭載された「DX Suite」はIntelligent OCR、Elastic Sorter、Multi Formというアプリケーションを有している。

・Intelligent OCR:手書き文字認識技術をベースに「定型帳票」を読み取りデジタルデータ化する。同社主力商材である。
・Elastic Sorter:Intelligent OCRのオプションとして、定型帳票以外の非定型帳票を読み取りデジタルデータ化する。
・Multi Form:請求書・領収書・レシートなどのレイアウトが定まっていない非定型帳票も事前の準備・設定不要で読み取る。

料金体系としては、リカーリング型モデルの月額固定費用、読み取り毎に発生する月額従量費用、セリング型モデルの初期費用の3者から構成されている。

各アプリケーションの利用契約数は大企業中心に着実な増加を見せており、Intelligent OCRは2019年9月時点で361契約である。尚、販売は代理店経由の販売が中心であり、OEM提供を行っているNTT東日本の販売比率が高い状態にある(2020年3月期Q2で約30%)。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


●「AI inside Cube」について
同社ではクラウドにアクセスすることなくユーザーの元でAI処理を行う、エッジコンピューティングハードウェア「AI inside Cube」も自社開発している。電源とデータ送信用のLANケーブルを差し込むだけで、同社AIアプリケーションの利用が可能である。

「AI inside Cube」により官公庁・地方公共団体からのオンプレミス(サーバやソフトウェアなどの情報システムを企業などの使用者が管理する設備内に設置して自社運用すること)の要望にも対応できる。

また同社はNTTデータとの協業により、地方公共団体の組織ネットワーク(庁内LAN)を相互に接続した、行政専用の閉域ネットワーク“LGWAN”内データセンターに、「AI inside Cube」と「DX Suite」を提供している。

尚、「AI inside Cube」はハードを提供する事業であるが、月定額のリカーリング型モデルでの提供を行っている。


■今後について
同社ではこれまで培ってきた研究技術とAIの設計図を活用して、ユーザー独自のAI作成サービスを、一部ユーザー対しアルファ版としての提供を開始している。

特定の業務を行う高品質なAIを開発・提供するのみならず、あらゆる種類の業務に対応できるAIの開発を行い、それらAIを搭載したデバイスの配信機会を拡大する計画である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)


■業績推移
2016年3月期 売上高0.1億円、経常利益▲0.5億円、当期純利益▲0.5億円
2017年3月期 売上高0.4億円、経常利益▲1.4億円、当期純利益▲1.4億円
2018年3月期 売上高2.8億円、経常利益▲3.1億円、当期純利益▲3.4億円
2019年3月期 売上高4.5億円、経常利益▲1.8億円、当期純利益▲1.8億円
2020年3月期(見込み) 売上高13億円、経常利益1.9億円、当期純利益1.9億円

2015年8月に設立されており、2016年3月期が設立第1期である。2018年3月期から具体的な売上の計上がスタートしたが、2019年3月期まで赤字が継続している。

2020年3月期は売上10億円の大台突破及び黒字転換が予想される。Q2(累計)で売上高6.1億円、経常利益1.8億円であり、黒字化を達成し通期予想達成に向けた進捗は順調である。


■財務状況
2019年3月期末時点で、資産合計9.7億円に対し純資産合計6.1億円、自己資本比率63%である。

借入金1.0億円に対し現預金8.0億円を有しており、財務内容に特段の懸念事項はない。尚、現預金8.0億円と売掛金1.2億円で貸借対照表の資産の95%を占めている。

また2019年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは+0.3億円であり、既に2019年3月期の段階でプラスとなっている。


■資金使途
IPOにより11億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。

・AIの学習、推論等への使用を目的とした社内サーバの購入費用 3.0億円
・社内サーバの設置スペース費及びメンテナンス等の各種維持費用 0.2億円
・AIエンジニアなど各部門の人材の採用費及び人件費 5.8億円

今後の成長に向けた人材投資及び、AIの研究開発で利用されるサーバ投資に調達資金の殆どが投じられる。


■株主状況
渡久地社長が株式シェア57%を有する筆頭株主である。

VC株主として第3位UTEC4号投資事業有限責任組合(株式シェア6.3%)、第6位日本郵政キャピタル(同4.2%)以下、合計4ファンドが存在し、VC比率は11.%である。尚、VC4ファンドについては、規制期間中の増資引き受けでありロックアップ契約の対象外となっている。

法人株主としては第2位株主のアクサ生命保険(同7.1%)を始め、レオパレス21<8848>(5.7%)、レカム<3323>(1.7%)、第一生命<第一生命HD:8750>(1.4%)が存在する。


■まとめ