(本記事は、中村博氏の著書『副業を成功させる45の習慣─「好き」と「得意」を生かして月30万円稼ぐ』合同フォレストの中から一部を抜粋・編集しています)
お客様の管理は3種類
本業としてビジネスを行っていく中で大切なのは、契約やお金の管理の他に、「お客様の管理」です。「お客様」と一口にいっても、3つに分けて考えることができます。
まず、あなたのサービスを一度でも購入してくれた方は「お客様」、中でも、何度も商品やサービスを購入してくれたリピート客を「得意客」と呼んでいます。また、将来あなたのサービスを購入してくれる可能性が高い方を「見込み客」といいます。
「管理」というと、なんだか堅苦しく感じるかもしれませんが、お客様および見込み客の個人情報やさまざまな状況を、どのように管理するのかということです。
管理において大切なのは、次の3つです。
(1)お客様と見込み客の個人情報
お客様と見込み客の管理には「名前、電話番号、メールアドレス、住所」は絶対に必要です。これらは個人情報ですので、取り扱いには細心の注意を払ってください。間違っても、誰でも見られるような場所に保存しないようにしてください。
また、エクセルや顧客管理ソフトで管理もできますが、万が一消えると困るので、バックアップとして複数保存する工夫も必要です。それぞれにパスワードを付けるのもいいでしょう。また、アナログですが、定期的にデータを印刷して、ファイルにとじて保存することも有効です。その際、鍵のついた棚に保管するなどして厳重に管理してください。
江戸時代から明治時代の商家では、「大福帳」と呼ばれる帳簿で顧客情報を管理していました。大福帳は、火事になっても肌身離さず逃げるくらい大切なものだったのです。それほど、商売をする中で顧客情報が重要だったということなのです。しかし、最近ではデジタル化が進み、その重要性を忘れてしまっている方も多いように感じます。
(2)購入履歴
お客様が「いつ、どこで、何を、いくら」購入したのかという情報です。これは、サービス販売でも商品販売でも一緒です。購入履歴を管理することで、お客様のランク付けを行うこともできます。また、購入後にお客様とお話しする際も、購入したサービスや商品の感想を伝えたり、サポートを行ったりすることが自然とできますので、必ず管理するようにしましょう。
お客様のランク付けの方法で一般的なのは、「ABC評価」です。ランクの基準には多くの場合、次の2つがあります。
・購入頻度 ・購入金額
これは、提供するサービスの単価によっても違いますし、サービスの形態によっても変わりますので、あなたの基準に沿って決めていただければ問題ありません。 たとえば、購入頻度でABC評価する際、Aは「再契約した方」、Bは「初めて契約した方」、Cは「未契約の方」とします。購入金額でABC評価する際、Aは「100万円以上」、Bは「50万円以上」、Cは「50万円未満」とします。
また、お客様のランク付けを行うメリットですが、パレートの法則というものがあります。「80:20の法則」ともいわれています。どんなビジネスでも、「お客様の20%が売上の80%を作っている」というものです。
つまり、Aランクのお客様が、あなたの売上の80%を作っているということです。そうであれば、Aランクのお客様には、手厚いサービスや対応があっても問題はありません。「手厚いサービス」の内容も、活動を行いながら決めていく必要があります。このことは、すべてのビジネスに共通しています。
(3)過去のメールなどのやりとり
お客様名簿の次に重要なのが、過去のメール履歴です。どんなやりとりをしたのか、どんなことを話してくれたのかは、あなたのビジネスが大きく成長するヒントだからです。もちろん、メールだけではなく、実際に話をしてくれたこともすべてです。
直接お話をする際には、ボイスレコーダーなどで録音することをおすすめします。家電販売店でも6000円程度でかなり良いものが販売されていますし、もし手軽にということであれば、スマホのアプリでも無料版がありますので、今日からでもできるでしょう。
メールの場合は、お客様や見込み客からどんなメールが来たのか、あなたがどんなメールを送ったのかを記録しておきます。管理するには、企業向けの有料ソフトもありますが、「日付・名前・メールアドレス・メール内容」さえ記録しておければ、エクセルなどで簡単に行うことが可能です。
お客様や見込み客との会話の内容、メールの内容を管理する方法は分かっていても、「ビジネスを成長させる」という目的を認識して管理をしていかないと、活用はできません。実は、やりとりの中で何気なくしていた「こんなことに悩んでいる」「これからこうなれたら嬉しい」「こんなサービスがあれば嬉しい」という雑談の中に、あなたのビジネスが大きく成長するヒントが隠されています。
保存した内容を時々読み返し、確認するといいでしょう。私自身は、今でもお客様や見込み客の雑談からビジネスのヒントをいただくことが多いです。
お客様との会話やメールを管理する際のポイントは、パソコンで保存する場合はハードディスクだけではなく、DropboxやGoogleDriveなどのインターネット上のサーバー(クラウド上のストレージシステム)に複数定期的に保存することです。その際、パソコンには必ずセキュリティソフトを入れておきましょう。もし、ウイルスに感染して顧客情報が流出すると大変な問題になりますので、細心の注意が必要です。
お客様の個人情報と同様、定期的に印刷し、専用のファイルにとじて鍵の掛かる棚に保管してください。
顧客情報は「あなたが成功するための宝物」ですので、大切に取り扱うようにしてください。
回避方法を考えておけば失敗は怖くない
どんなビジネスでも、本業として活動しようとするときには「失敗したくない」と思うものです。それは、どんな人でも一緒です。では、失敗とは何だと思いますか? 失敗とは「望んでいる状態にならなかった状態をそのままにしている」ということです。ですので、どんなに失敗だと思っても、その失敗を改善できさえすれば、失敗ではなくなります。
言い換えると「失敗すると仮定して、どんな対応を考えておくのか」「失敗すると仮定して、改善を行う時間を取るのか」を考えておくだけです。たったそれだけで、失敗が失敗で終わることがなくなりますし、そこから大きく成功していくきっかけになるのです。
ちなみに、ビジネスでもビジネス以外でも、失敗しない人は100%いません。思い出してください。あなたが小学校の時に九九を覚える際も、最初はまったく覚えられずに苦労をしたと思います。しかし、何度も繰り返し覚えていった結果、今では意識しないで九九を言えるようになっているのです。
実は、本業に切り替えるときの失敗は、その程度だと思ってください。失敗を恐れる方の多くは、次のようなことを考えているのではないでしょうか。
・一か八かの勝負として考えているから失敗が怖い ・失敗してお金がなくなるのが怖い ・失敗すると、人に何を言われるのかが怖い ・自分自身の失敗が許せない
本業は一か八かの勝負としてはやらないことです。また、お金に関しても大きく勝負するような使い方はおすすめしません。もし、そんな「一獲千金」のようなことを考えているのであれば、やめてください。ビジネスはばくちではないのです。
小心者でも構いません。小さく行動したほうが、失敗も小さくなっていきますので、その後の改善も簡単にできるようになります。
失敗する自分が許せないとか、人の目が気になるという方も多いです。その気持ちは分かりますが、「一気に大きな成果を出さないといけない」と思っていると、失敗をしたくないと考えてしまいます。
しかし、「周りの人は案外あなたに興味がない」という事実がありますので、あなたがどんな失敗をしても、実はそれほど気にはしていません。昔から「対岸の火事」といいますが、まさにその通りだということです。
そうはいっても失敗したくはないですし、失敗している状況を少しでも早く改善したいものです。そのためには、次のような失敗したときの回避方法を事前に用意しておく必要があります。
(1)失敗したときの相談先リスト(専門家や先生)を用意しておく (2)失敗したときにすぐに対処できる時間を日々用意しておく(1日1時間でもよい) (3)失敗してもリフレッシュできる場所や人のリストを用意しておく
本当にささいなことですが、失敗に対しての回避方法を事前に用意しておくだけで、精神的にかなり楽になっていきますし、失敗したときに落ち着いて対応できるようになります。失敗は改善すると大きく成長できる糧になりますから、対処法を用意しておくと
「失敗することが楽しくなる」 「失敗を楽しみながら待つ」
という気持ちにもなれるものです。そういう私も、何かを行う際には失敗したときの対処法を事前に用意しておくので、ワクワクして失敗することを待っています。
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