2020年が幕を開けた。本特集では、新年にさらに自身の資産を増やし、人生を加速させていこうと考える読者のために、金融・経済各テーマ別に一年の展望を解説する。
第2回は証券各社のレポートから2020年の国内株式市場の動きについてお届けする。
年間高値2万8000円も! 2020年の証券各社予想を検証
2020年の東京株式市場は昨年に続いて上昇が期待できそうだ。すでに日経平均株価について大手証券からは、年間の高値を2万8000円とする予想も飛び出している。ただ一方で、2万円程度まで日経平均が下落するリスクも指摘されており、機動的な売買がいつになく重要な年になりそうだ。
「もっと大胆に投資すればよかったと顧客は笑っていましたよ」。
昨年のクリスマス直前の東京都心。欧州系証券の機関投資家担当者の表情は明るかった。2019年の日経平均は12月に入って2万4000円台に到達。12月24日時点で昨年末比19%高と大幅に上昇した。しかし、世界の株式市場に目を転じると、日本株の上昇率はむしろ物足りないほどだ。
この1年、米国と中国の貿易摩擦が世界同時不況を招くリスク要因として警戒されたが、米国株は昨年12月に史上最高値を更新し、クリスマス休場前までにダウ工業株30種平均が22%、ナスダック総合指数は35%も上昇した。中国でも上海総合指数が20%高と、トランプ大統領の関税攻撃がウソのような好調ぶりだった。
欧州でもドイツ26%、フランス27%、イタリア30%と絶好調そのもの。新興国株価もロシア44%、ブラジル32%、トルコ24%など軒並み大幅高となった。原油や金など国際市況商品まで値上がりし、2019年は世界の投資家にとってハッピーな1年だったと言える。
2020年の株式市場はどう動くのか?
「日経平均は2万5000円」。国内最大手の野村証券と米系のゴールドマンサックス証券から昨年11月、奇遇にも同じ数字が出てきたことが、株式市場関係者の間で話題になった。両社レポートのキーワードは「シクリカル(Cyclical)銘柄」。好不況を繰り返す景気循環サイクルに沿って業績や株価が変動するため、景気敏感株とも呼ばれる。