不動産投資のリスクの1つとして、金利上昇リスクがあります。今回は、金利上昇リスクについて詳しく解説し、オーナーとして正しい判断をするためのポイントを紹介します。

不動産投資の金利上昇リスクを押さえておこう

金利上昇リスク
(画像=PIXTA)

安定的に家賃収入を得られる不動産投資は、「老後の生活費の確保」「万が一のための不労収入」として人気があります。最近では、20代・30代のうちから不動産投資で資産形成に取り組む人も増えてきました。

一方で、投資である以上、当然不動産投資にもリスクが存在します。

代表的なリスクは、空室リスク・災害リスク・金利上昇リスクなどです。今回は、意外と意味を知らない人も多い金利上昇リスクについて、詳しく解説していきます。

金利上昇リスクとは、投資用不動産を金融機関からの借り入れで購入した場合に、市中の金利が上昇した際にローン返済で負担する利息が増えることをいいます。

投資用ローンの金利には、主に固定金利・変動金利の2種類があります。固定金利の場合は、ローンを組んだ時点の金利が2年、3年の約定期間に限り(ただし、2年、3年の継続更新は可)、または投資用ローンの商品によっては返済終了まで適用されます。そのため、市中の金利が上昇したとしても、支払う利息が増えることはありません。

一方、変動金利では、市場の金利に応じてその都度金利が見直されます。そのため、市場の金利が上昇すれば、トータルで支払う利息額が増えることになります。

たとえば、5,000万円を30年で返済するとして、金利が2%であればトータルで支払う利息額は約1,653万円です。しかし、金利が3%となると、トータルで支払う利息額は約2,589万円になり、差額は約936万円です。

たとえ1%でも金利上昇による影響は大きいので、金利変動リスクについてきちんと認識しておきましょう。

中央銀行の役割とは?金利が急上昇しない理由

日本の中央銀行は日本銀行です。日本銀行は紙幣、貨幣を発券する以外に、金利水準を安定させ、急激な金利変動を防ぐことを役割の1つとしています。

金利が急上昇した時に被害をこうむるのは、何も不動産のオーナーや自宅のローンを抱えている人だけではありません。ローンの利息負担が急激に上がれば、大多数の国民の生活を圧迫し、消費マインドや企業の売り上げ、更には日本経済全体にも大きく影響してきます。そのため、政府は国策として、金利を一定の幅にコントロールしようとしています。

金利が上昇してしまった場合のリスクヘッジ

また、金利上昇が投資用ローンの利用者に深刻な被害をもたらさないよう、金融機関もさまざまな基準を設けています。特に有名な施策が、元利均等返済(毎月の返済額が一定)の場合に適用される「125%ルール」です。125%ルールとは、金利が急激に上昇したとしても、返済額を従来の125%以内に収めるというルールです。

また、「125%ルール」の他に「5年ルール」というものもあります。住宅ローンは半年に1度見直されますが、その時に金利が変動した場合でも、毎月の返済額は5年間変わらないというものです。

125%ルール、5年ルールは、すべての金融機関で採用されているわけではありません。返済額の変動について不安に思うなら、125%ルール、5年ルールを採用している金融機関を選ぶのもリスクヘッジとして効果的です。

リスクを正しく認識して投資を行うことが大切

中央銀行や各金融機関の取り組みを踏まえると、メディアが煽り立てるような「金利上昇で破産」といった状況は、現実にはなりづらいことがわかります。不必要にリスクに怯え、冷静な投資判断を欠くことがないよう注意したいものです。(提供:マンション経営ラウンジ

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