(本記事は、堀口龍介氏の著書『【契約率76.2%】営業・即アポ 6万5026時間の会話分析からわかった!』ぱる出版の中から一部を抜粋・編集しています)

コレを言わないと「ガチャ切り」必須!「日時設定前」の5つの要点

テレアポ
(画像=Brian A Jackson/Shutterstock.com)

では、「抑え」に入る前の「アポ入れ」時の具体的な型を見ていきます。テレアポトークは、アポの日時設定前とアポの日時設定後の、2つの場面で構成されるとお伝えしました。日時設定前の場面は、とにかくアポの日時設定だけを目指して、次の流れで話してください。

(1)第一声
(2)自己紹介
(3)趣旨説明
(4)ベネフィット
(5)日時設定

これが、人の心に最もすっと入っていきやすい型です。以下、順に解説します。

(1)「第一声」で7割決まるメラビアンの法則

これは、もちろん「もしもし」ですが、電話でも第一印象はとても大切です。第一印象は数秒で決まる上になかなか消えないため、「もしもし」の言い方ひとつで、アポトーク全体の印象が大きく左右されます。

では仮に、話し手の「言葉・話し方・表情」がそれぞれ矛盾していた場合、受け手が最も大きな影響を受けるのはどの情報だと思いますか? 

実は、それを調べた実験があります。具体的には、好意的な表情をしながら、感情のない話し方で、「嫌いです」と言ったら、受け手はどの情報を一番に信じるか?というような実験です。

その結果、人の印象を左右するのは「言語情報7%、聴覚情報38 %、視覚情報55%」となりました。これが「メラビアンの法則」です。非言語情報は潜在意識に働きかけるため、言語情報よりも影響力が大きいのです。

つまり顔が見えないテレアポで、「もしもし」という、言語的にはあまり意味のない言葉を言った場合、重要なのは聴覚情報、つまり声の印象です。

単純計算で7割以上が聴覚情報、つまり声の印象で判断されるということ。

笑顔を乗せた声は、必ず相手に伝わります。これまであまり第一声を意識していなかった場合は、次は笑顔を添えて、明るい声で「もしもし」を言ってみましょう。

(2)「自己紹介」の冒頭に「あ」を入れてリズムよく

これは、社名→名字→軽い挨拶でワンセットになります。

「あっ、私、即決営業の〇〇と申しますが、お世話になっております」

最初の「あっ」というのは、電話の向こうにいる相手へのリアクションです。

「何の意味があるの?」と思うかもしれませんが、この一言でリズムがよくなりますので、騙されたと思って試してみてください。挨拶は、ターゲットによって「こんにちは」「お忙しいところすみません」なども使えます。大きな声で堂々と自己紹介を行えば、信頼感が増します。

逆に、自己紹介が小声すぎて、名乗った名前がよく聞き取れなかったりすると、自信がない人なのかな?やましいところのある人なのかな?と思われてしまいます。

ここでも、「明るく、ハキハキ、笑顔を乗せて」が基本です。

(3)「趣旨説明」は早い段階で伝える

テレアポで、この趣旨説明を曖昧にしたり、後回しにしたりする人をよく見かけますが、逆効果です。早い段階で何の用かがわからないと、相手の潜在意識が働いて警戒心が高まります。あなたが有名一流企業に勤めていたとしても、どんなに自慢の声でも、潜在意識のパワーには勝てません。

その結果、何を言っても受け入れてもらえなくなったり、一方的に電話を切られたりします。

ですから、

「本日は、営業研修の件でお電話させていただきました」
「家庭教師の無料体験に関するご連絡です」

など、あなたの商品やサービスに合わせて、はっきりと趣旨をお伝えしましょう。

(4)「ベネフィット」は相手がイメージできるように

ベネフィットは、単に、あなたの商品やサービスの強みのことではありません。もしお客様が商品を使ったらどうなるか、もしサービスを受けたらどうなるかを、いきいきとイメージできるようにお伝えすることが大切です。

「〇〇社や〇〇社など、すでに1万人以上の方が受講されていて、翌月の売上げが3倍以上になった!と、みなさんにたいへん喜ばれている営業研修です」

「なんと1ヵ月間のお試し導入だけで集客率が15%もアップして、続けて使えばもう集客に悩まなくてよくなった! と評判の集客システムです」

このような言い方で、声に抑揚をつけたり、商品を使って喜んでいるお客様になりきったりすることで、明るい未来が相手にしっかり伝わるように話してみてください。あらかじめさまざまなベネフィットを用意しておいて、電話の相手に響きそうなものを選んでお伝えしましょう。

「ベネフィット」の例
「〇〇のお悩みが一瞬で解決できた、と評判です」
「簡単に〇〇できて、ご家族に喜ばれます」
「たった1ヵ月で、売上げが35%アップしたケースもございます」

(5)「日時設定」は断られても3回希望を伝える

これは、諦めず3回は「アポ訴求」に挑むこと、これに尽きます。

アポ訴求というのは、「会って話を聞いてほしい」というあなたの要求を相手に伝えることです。ポイントは、「会いたい」というあなたの気持ちや要求ではなく、「お話を聞いてください」と相手にしてほしいことを伝えることです。恋愛に例えれば、「好きです」ではなく「付き合ってください」が正解です。

サッカーでもバスケでも、シュートを打たなければゴールは絶対に決まりませんよね。そして、テレアポにおけるシュートといえば、「アポ訴求」です。「これはムリそうだな」とか「絶対に断られるだろうな」という自己判断で、アポ訴求をせずに電話を終えてしまってはいけません。

結局、シュートを打った回数が、ゴール、つまりアポが取れる件数に響くからです。

「この機会に、ぜひお話を聞いてみてください」

このようにあなたの要求をまっすぐ伝えれば、相手も少なからず「それに答えなければ」という気持ちになってきます。

逆に、あなたの要求をはっきり伝えなければ、相手は気づかないふりをしたまま、電話を終えようとします。その方が、心理的な負担が小さいからです。

アポ訴求された場合、相手には断る理由が必要になります。どっちつかずの人は、断るのが面倒でOKする場合もありますし、相手の口から断る理由が出てきたら、今度はその理由を攻略していけばいいのです。

以上が相手の潜在意識に働きかけるテレアポの型です。この5つの型を守っていれば、他はあなたの持ち味を出しても構いませんし、自然とアポが増えてくるはずです。もしアポが取れなくなってきたら、何度でもこの(1)〜(5)の流れに立ち返ってみてください。

【契約率76.2%】営業・即アポ 6万5026時間の会話分析からわかった!
堀口龍介(ほりぐち・りゅうすけ)
株式会社即決営業代表。セールストーク分析の“鬼”。1976年大阪生まれ。訪問販売の最大手に入社し、その翌年にセールスマン1000人以上のなかで年間個人売上1位の成績を収める。その後、営業会社を渡り歩き、在籍した3つの会社すべてで年間個人売上1位を記録し独立、29歳で営業会社を起業。指導した人数は延べ3万人を超え、年収1000万円以上のトップ営業を多数輩出。「即アポ」メソッドは、2011年から計6万時間以上の通話を録音&分析し、誕生。

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