(本記事は、堀口龍介氏の著書『【契約率76.2%】営業・即アポ 6万5026時間の会話分析からわかった!』ぱる出版の中から一部を抜粋・編集しています)
SNSの普及が営業にもたらす激変 メルマガはもう時代遅れ?
Webマーケティングを使ってアポを取るには、「ブランディング」と「導線」が必要になります。
ブランディングとは、ターゲット層にあなたの活動や商品を知ってもらい、狙いに合った「ブランドイメージ」を定着させていくことです。
そして導線とは、お客様とのファーストコンタクトから契約までの道筋のことです。導線をしっかり引いておかなければ、せっかくのWebマーケティングが、ただのSNSのお友達作りで徒労に終わってしまうことになります。
かつてはメルマガがこの導線の主流でした。HPやブログでは相手が見に来てくれるのを待つしかなく、消極的な告知しかできません。そこで、HPやブログでメルマガを宣伝し、なるべく多くの人をメルマガ登録に誘導します。
すると、あなたの情報に関心がある人が「メルマガ読者」としてグループ化され、セミナーや商品説明会などの積極的な告知がいつでも行えるようになります。また、読者に役立ちそうな情報や、お客様の喜びの声、メディア出演などの情報を定期的に配信すれば、ブランディングもあがります。
●SNSの普及でメルマガの効果は低くなった
しかし今ではSNSの普及によりメール離れが進み、メルマガの開封率や到着率が下がりました。そこでメルマガに変わって、手軽に双方向のやりとりができるLINE公式アカウント(旧LINE@)を使う人が急増しています。あなたも、無料スタンプなどをダウンロードする際に、LINE公式アカウントのお友だち追加をすすめられた経験があるのではないでしょうか。
Webマーケティングとテレアポを融合させるためには、あなたの活動に関心のあるグループを継続的に作っておく必要があります。HPなどで一般公開されている情報よりも、よりコアな情報を、直接届けるためです。これが見込み客の「母体」になります。
そこで、LINE公式アカウントなどのSNSを使えば、メルマガよりも密接に母体と関わることができます。SNSの最大の利点は、相互間で気軽にやりとりができるところです。1対1でも、グループ間でもメッセージが送りあえます。SNSによっては「未読スルー」なのか「既読スルー」なのかの判別も可能です。
そして、チャンスが来たら素早く対応することで、「鉄は熱いうちに打て」ということわざの通り、アポ取得率や契約率もあがります。
さらにSNSには、電話番号やメールアドレスなどの個人情報を知らないままでも、お互いが自ら公開している情報だけでやりとりできるメリットがあります。
つまり、警戒心のハードルが低くなるということです。関係性や好みに合わせて、「いいね」や「シェア」、そしてコメントやメッセージなど、やりとりの深さも自由に選ぶことができます。
もちろん対企業であればメールが基本ですし、ブランディングとしてはメルマガもあるに越したことはありません。ただ、メインの導線としてはSNSからLINE公式アカウントに誘導できればベストです。まずは次の図を参考に、あなたの理想の導線をイメージしてみましょう。
このように契約までの流れをあらかじめ想定しておき、複数の通過点をしっかりと決めておきます。メインは入口(最初に出会った場所)から母体となるグループ(LINE公式アカウント)に誘導し、グループ内でやりとりを行い、そこから契約につながる見込み客を絞っていくイメージです。
私も多くの導線を試してみましたが、最終的にLINE公式アカウントとテレアポを組み合わせることで、契約までの道のりを最も短縮し、高い成約率をキープすることができました。SNSの普及が、営業界にもすばらしい変化をもたらしてくれたのです。
なお、お客様のスタートまでに余計な時間をかけないことは、売り手側の都合だけではありません。私の20年以上の営業経験から、時間をかけて決まる契約なら、その場でも決まるはずです。また、スタートを先延ばしにするタイプのお客様は、外からの明確な働きかけがない限り永遠に動かないものです。ですから、売り手側がお客様の時間をできるだけ奪わずに、いち早く問題解決への一歩を踏み出してもらうことは、お客様にとってもプラスになることなのです。