(本記事は、小林正弥氏の著書『最速で10倍の結果を出す 他力思考』プレジデント社の中から一部を抜粋・編集しています)

自力思考の人と他力思考の人、その差はココだ!

自力
(画像=fizkes/Shutterstock.com)

さて、ここからは、自力思考と他力思考の違いを明らかにしていきます。

(1)自力思考の人は「1馬力」 他力思考の人は「100馬力」

自力思考の人は「1馬力」しか使えません。

しかし、他力思考の人は「100馬力」を使うことができます。

例えば私は、出版やeラーニングによって、1日を無限大に増やしています。書籍は、1日1時間読んでくれる人が1000人いたら、1000時間分の価値提供をしていると考えられます。

eラーニングも同様です。

1日1時間学習してくれる生徒が世界中にいることで、1000時間分の価値を提供しているのです。

ひとりで年間1億円を売り上げる社長より、年間5000万円を売り上げる営業マンを5人育てている社長のほうが、例え自分が1円も売らなくても、年間2・5億円の経済価値を生み出しています。

自力思考は1馬力、他力思考は100馬力です。

(2)自力思考の人は「頑張るモード」 他力思考の人は「脱力モード」

今、私は年間1000万円を稼ぐ人、3000万円を稼ぐ人、1億円を稼ぐ人、と付き合っています。かつて私自身も経験してきた道です。

彼らをつぶさに見ていて、そして私の体験も踏まえて言えることは、年間1000万円を稼ぐ人が一番頑張っていて、1億円を稼ぐ人が、一番力が抜けているということです。

つまり、努力と報酬が比例するわけではないのです。

年間1000万円を稼ぐ人は、「自力思考」で、全部自分で頑張ります。

商品開発、集客、セールス、事務作業まですべてひとりで行うので、人によっては365日休みなく働きます。一方で、1億円を稼ぐ人たちは、自分がやりたいこと、得意なこと以外は、すべて他力を使います。

私自身はひとり経営ですが、10名ほどの専門家とチームを組んで、ビジネスの仕組みを構築しています。

自分自身はやりたいことだけをやっているので、労働という感覚はありません。2019年は毎月の半分は妻と海外を訪問していましたが、私がいなくてもビジネスは問題なく回っています。

他力思考でビジネスモデルとチームを構築すれば、脱力して、好きな人と、好きなことをやっているだけでお金が入ってくるのです。

(3)自力思考の人は「苦しい」 他力思考の人は「楽しい」

「他力思考」で楽しく結果を出している人の辞書に「モチベーション」という言葉はありません。

遊園地を遊び回る子供のように、朝から晩までやりたいことをやっているからです。

一方、「自力思考」で頑張っている人は、「モチベーションをどう上げたらいいか?」を試行錯誤しています。

この前提には、人生にやる気が上がらないことがあるからです。これも「自力思考」の罠です。

やる気が上がらないなら、さっさとやめたほうがいい。モチベーションを会社にマネジメントされるなど、奴隷と変わりません。

私は事務仕事が苦手なので、すべて代行しています。

その分、自分が得意でお金を生み出すことに集中できるので、代行サービスを活用するほど売り上げは伸びています。

限られた人生で、嫌いなこと、苦しいことをやるのは、自ら牢獄に入るようなものです。

(4)自力思考の人は「犠牲感」 他力思考の人は「ワクワク、好奇心」

嫌いなこと、苦手なことをやって結果を出そうとしている人は、犠牲感情が伴ってきます。すると、人にも犠牲を求めるようになります。

「自分がこんなに辛いのだから、お前も苦しめ!」といった具合です。

社員のためだと言いながら、ブラック企業化させる社長がその代表です。

「他力思考」で好きなことだけをやって結果を出している人は、ワクワクや好奇心で生きています。楽しくないことはさっさとやめていいのです。

自力思考的教育を受け続けると、やりたいことではなく、やるべきことばかりであふれて、自分の好奇心やワクワクの源泉に蓋をしてしまいます。

(5)自力思考の人は「人と競争する」 他力思考の人は「人と共創する」

私は会社員時代、営業職を担当していました。「自力思考」で、ひとりで頑張っていた時は、周りの営業マンは全員ライバル。

「数字が人格」だと言われ、未達成の時は、何度も自分を責めました。

今は、「他力思考」でチームとのかけ算で成果を上げています。

集客する人、セールスする人、お客様をサポートする人。

分業してチームで結果を出し、喜びと報酬を分かち合っています。自力思考は人と競争し、他力思考は人と共創します。

あなたの働き方は、競争と共創、どちらでしょうか?

(6)自力思考の人は「孤独になる」 他力思考の人は「人とつながっていく」

自力思考の人は、人と競争するので、人と分離して孤独になっていきます。

頑張って、頑張って、頑張り抜いて、最後にたどり着いた場所に家族も仲間もいなくて、たったひとりだったら「何のためにここまで走ってきたんだろう?」という気になります。空虚な未来が待っています。

一方、「他力思考」は人とつながっていきます。

自分と相手の垣根がなくなっていきます。楽しく結果を出し、みんなと達成の喜びを分かち合えるのです。あなたは今、何人と深くつながっているでしょうか?

(7)自力思考の人は「欠乏感が高まる」 他力思考の人は「充実感が高まる」

「自力思考」で生きると、すべてが完璧にできないと、自分を罰してしまいます。自分より能力が高い人、お金持ちの人、こういった人を見ると、自分の足りないところが気になってしまうのです。

このような人は、比較地獄に陥ります。

どんなに頑張って達成しても、人と比べてしまうから充実感は一瞬で、次の瞬間には欠乏感がブラックホールのように膨らんでいくのです。

一方、「他力思考」の人は、「今も十分にある、今も十分に幸せ」と満たされた感情に包まれています。

必要なものは、自分自身が持っていなくても、大抵この世の中にある、という感覚です。

例え銀行口座にお金がなくても、誰かが持っている。その誰かに資金援助してもらえれば、必要な資金はあるという発想です。

実際、クラウドファンディングで資金調達に成功し、自分のお金を使わずに、プロジェクトを成功させる人たちがいます。

また、自転車も、車も、洋服も、シェアリングサービスが普及しています。

「自分が所有していなくても、必要なものはすべて、もうある」という感覚に包まれる。だから毎日が満たされている人たちです。

そのような人たちは、「今も幸せだけれど、もっと楽しいことにチャレンジしてみよう!」となるのです。

(8)自力思考の人は「想定以下の結果しか出ない」 他力思考の人は「想像以上の結果が出る」

「自力思考」の人は自分の頭だけで考えるので、過去からの延長線上の未来しか描けません。頭の中には過去の記憶しかないからです。

旅行に例えるとわかりやすいのですが、「自力思考」で考えた場合、過去に行ったことのある旅先にしか行けないわけですから、未知の国、行ったことのない国に行こうという発想は浮かびません。不安で動けなくなります。

しかし、「他力思考」で人の頭を使えば、行ったことのない国、自分の知らない国に行くには「知っている人に聞けばいい」と考えて、人に知恵を借りることができます。

南米に行きたいなら、行ったことがなくても旅行会社に問い合わせて、彼らの頭脳を借りればいいからです。

詳細な旅行日程、予算も彼らが提案してくれます。

旅行に限らず、ビジネス、ダイエット、語学、何でも同じです。特に1年以上、「自力思考」で考えて結果が出ないのなら、自分の頭を信じないほうがいい。

私は20代の頃、ダイエットに失敗してきました。しかし、30歳の時にコーチにお願いしてダイエットに励んだところ、2カ月で10キロ痩せて、それ以降リバウンドしていません。自力でダイエットに取り組んでいたら、今でもメタボだったと思います。

このように「他力思考」なら、成功している人が知恵を貸してくれて、彼らが成功へのナビゲーターとなり、あなたの想像以上の未来へと引っ張ってくれます。

(9)自力思考の人は「不幸になる」 他力思考の人は「幸せになる」

私の父はまさに自力地獄にハマっていました。

私が小学三年生の夏休みの時に、一度家族がバラバラになってしまいました。両親は離婚を考え、別々の生活を始めました。

その年の夏休みは、私と弟は、母方の祖父母の家で過ごしましたが、長い休みが終わると、急に現実に引き戻されます。

父も母も、自力で頑張っていたと思います。父は会社の業績を伸ばすため、母は子供を育てるため、お互いの正義のために頑張っていました。けれども、あるタイミングで、お互い歩み寄ることができなくなってしまいました。

自力思考で頑張りすぎると、人と分離し、幸せは遠のきます。

「他力思考」を使えば、人と共創し、つながり、充実感でいっぱいになります。必要なものはすでに誰かが持っていて、必要な時に手に入る、という安心感に包まれ、幸せな毎日を過ごすことができます。

(10)自力思考の人は「労働者的マインド」 他力思考の人は「統治者・オーナーマインド」

一般的な会社員、フリーランス、自営業者は「自力思考」です。

自分の頭、時間、手足を使ってお金を稼ぐからです。

私自身、最も「自力思考」に頼っていた時は、時給900円の日雇いのアルバイトでした。

日雇いの仕事は、翌日には収入はゼロリセットされます。この貧乏ラットレースを何年、何十年もやるのかと思ったら、人生をリセットしたい気持ちになりました。

一方で、億を稼ぐビジネスオーナーは「他力思考」を使っています。

自分以外の優秀な頭脳、たくさんの人の時間や手足を使えるビジネスモデルとチームを構築し、お金を稼ぐからです。たくさんの人とつながり、お金と喜びを分かち合っています。

自力思考は出口のない貧乏ラットレース、他力思考は豊かな資産家への道です。現在の立場や職業は関係ありません。

会社員でも、上司の力を活用してトップセールスになる人もいます。

お客様の力を使って「紹介」で顧客開拓していく人もいます。

あなたの思考が将来の働き方、収入を決定するのです。

自力思考の人は、誰かの問題解決に忙しく、他力思考は、自分で掲げたビジョンに人を巻き込みます。

野心を超えたビジョンに他力は集まるのです。

自力と他力のかけ算で、自分の能力、労働時間を超えたお金を受け取る仕組みを、今からつくりませんか?

今こそ、自分の頭と手足だけを使う「自力地獄」から抜け出そう!

最速で10倍の結果を出す 他力思考
小林正弥(こばやし・まさや)
ビジネス教育者、作家。株式会社教育スクールビジネス研究所代表取締役1983年、埼玉県生まれ。2006年、早稲田大学理工学部卒。「本業で結果を出して稼ぎ、結果の出し方を人に教えて稼ぐ」、ダブルインカムの手法を実践する「新・講座型ビジネス実践会」を主宰。「才能をお金に変える専門家」と呼ばれ、塾生には年間3000万円、1億円を稼ぐクライアントもいる。25歳で独立したものの全く稼ぐことができず、時給900円の日雇いのアルバイトを経験。家族の治療費のため、自分を最高値で売ることを決意し、1ヵ月後に毎月210万円の報酬が得られるようになる。その後、自分を「商品」として1億円プレイヤーとなる。自身がお金に苦労した経験から、地に足のついたアドバイスには定評がある。著書に『自分を最高値で売る方法』『億を稼ぐ勉強法』(ともに、クロスメディア・パブリッシング刊)がある。

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